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アメリカ西海岸の小さな町で 付き合い丸29年の2人
米国人彼氏Dさんと雑種犬Coco(没2020)と共にひっそりと 慎ましく暮す男の
地味でありふれた たれ流し的日常生活日記

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我が家には今年の中頃、母猫に連れられた6匹ほどの子猫が裏庭にやって来ました。最初は少しだけ餌をあげたのですが、その後皆さんは一度姿を消し、それっきりになっていました。しかし数週間後、子猫が3匹ほど戻ってきて、そのうちの茶色の1匹はまたどこかへ。

結局、残った2匹が裏庭に住み着いてしまったので、僕たちは餌をあげることにしました。当初は警戒心がものすごく強く、僕たちの姿を見るなり逃げ出すほどでしたが、辛抱強くお世話を続けているうちに「この人間たちは悪くない」と理解してくれたようです。触らせてこそくれないものの、餌の時間には近くまで寄ってくるようになりました。
2匹のうち、オスはGray(グレイ)と名付けました。Grayは右足に障害があるようで、まっすぐ歩くことができず、庭の周りをゆっくりちょこちょこと歩くのが行動範囲です。もう1匹のブチ模様のSpotty(スポッティ)はメスで、強度の対人恐怖症ですが、体はとても元気。木に登ったり隣の家の塀を軽々と越えたりして、あちこちへ遠征に出かけています。

そんな2匹ですが、どうやらメスのSpottyが発情期を迎えてしまったようです。僕は猫を飼ったことがないので詳しくはないのですが、メスが発情期を迎えると、その匂いでオスを引き寄せて交尾をし、子供を授かるとのこと。以前コメントでも教えていただきましたが、この交尾は兄弟間でも起こってしまうらしいのです。そうなると我が家の床下でまた何匹もの子猫が誕生し、一気に猫屋敷化してしまいます。これは一大事です。











そんなある日、庭に見知らぬ茶色い猫がやって来ました。おそらく発情期のSpottyを探しに来たのでしょう。しつこく追いかけ回していましたが、Spottyの方にその気はないようで、なんとか逃げて接触を避けていました。その時は僕が茶色の猫を追い払って事なきを得ました。

しかし数日後、餌をあげようと裏庭へ行くと、今度は兄であるGrayがSpottyの首根っこに噛みつき、馬乗りになろうとしているではありませんか!Spottyは恐怖を感じたのか一目散に逃げていきました。どうやらGrayも、妹のフェロモンに理性を狂わされているようです。近親相姦の危機……これは本気でまずい状況です。
パートナーのDさんは近所で避妊手術をしてくれる場所を探しましたが、この地域では飼い猫ならまだしも、野良猫の手術を引き受けてくれる場所がなかなか見つかりません。あっても予約がいっぱいで、「来年の2月なら」といった状態でした。やはり野良猫は飼い猫と扱いが違うようで、受け入れ先が少ないのが現状です。

それでもDさんがネットを駆使して粘り強く探した結果、家から90分ほど内陸へ行った町にあるクリニックを見つけ、今週の朝一番の予約を取ることができました。
まずは一安心ですが、ここからが最大の難関。それは「Spottyを捕まえること」です。彼女は極度に警戒心が強く、近づくことすらできません。捕獲器(わな)を使う方法も考えましたが、今から手配していては予約の日に間に合わないのです。









そこで僕たちは、彼らを家の中におびき寄せ、部屋を閉め切って捕獲する作戦を決行することにしました。まずその日は餌の量を減らしていつも以上にお腹を空かせ、彼らの大好物である缶詰のごはんを裏庭のパティオに直結している部屋の中に用意しました。当然、彼らは警戒しますが、比較的おっとりしたGrayが先に部屋に入って食事を始めました。

すると、それにつられるようにSpottyも部屋に入って食べ始めたのです。僕は裏庭側からこっそりと近づき、パティオのドアを閉めて封じ込めることに成功しました!
さて、ここからが本当の戦いです。Spottyは素早く僕の動きをかわし、家具の下へと逃げ込みます。僕が捕まえようとするたびに必死の抵抗を見せ、追いかけっこが続きました。
僕もかなり疲弊して諦めかけたその時、Spottyにも体力の限界が来たのでしょう。一瞬の隙を突いて、ついに彼女を捕まえました!しかし、彼女は恐怖でパニック状態。なりふり構わず抵抗します。僕は予防のために園芸用の厚手の手袋をしていましたが、彼女の必死の抵抗には全く歯が立ちませんでした。

ものすごい勢いで僕の手に噛みつき、ひっかき、僕の手はあっという間に流血状態に……。
それでも「このチャンスを逃すわけにはいかない!」という思いと、急上昇したアドレナリンのおかげか、痛みも流血も忘れて必死に彼女を離しませんでした。そのままなんとかケージの中へ押し込むことに成功!








ケージに入れた瞬間、張り詰めていた糸が切れたのでしょう。手からあふれ出る血と、無残に引き裂かれた傷、牙で穴が開いた指を見て、僕は手足の震えが止まらず腰が抜けそうになりました。その間、Dさんはオロオロするばかりで全く役に立ちませんでした(笑)。洗面所へ駆け込み、まずは傷口を洗って止血を試みましたが、なかなか血が止まりません。

これほどの流血は大人になって初めてです。指の根元を縛って血流を抑え、抗菌剤をたっぷりと塗り、防水効果のある人工皮膚のような絆創膏をぴったりと貼って、ようやく止血に成功しました。
ホッとした途端、今度は激しい痛みが襲ってきます。急いで鎮痛剤を飲みました。これほどの大怪我は初めてだったので、自分でもわかるほど精神的にハイな興奮状態になっていました。
これは落ち着かせる薬も必要だと思い、以前睡眠誘発剤として処方されていた薬(もともとは鎮静剤)を服用しました。鮮血と穴の開いた指の光景が目に焼き付いていて、それほど異常な精神状態だったのだと思います。一方、捕らえられたSpottyの方は、ケージの中で観念したようにおとなしくしていました。

その日はケージごと暗いガレージに置いて一晩過ごしてもらい、翌朝一番にDさんがクリニックへ連れて行きました。Dさんが前日の惨劇をスタッフに伝えて注意を促してくれたおかげで、クリニック側では何の問題もなく避妊手術が行われ、その日のうちにSpottyは帰宅しました。







術後の経過を見るために今夜は室内で過ごさせてほしいとのことだったので、パティオ側の部屋を開放し、トイレとベッドと食事を用意しました。翌朝には元気に過ごしている様子が見られたので、本当に安心しました。

長くなりましたので、その後の経過はまた後日お話しします。なんとか「ミッション・インポッシブル」をやり遂げて、ホッと一息ついた年末の中年ゲイカップル二人でした~。
   






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職場のいつもの焼き肉仲間と食事に行ってきました。今回はクリスマスということもあって、いつもより少し豪華に行ってみようという話になり、いろいろと考えた結果、食べ放題のブラジリアンステーキハウスでシュラスコを楽しむことに決まりました。

ブラジリアンステーキハウスのシュラスコは、焼き立ての串刺しのお肉を従業員の方たちが、お客が「もういらない」と言うまで次々と運んできてくれるシステムです。お肉の種類も豊富で、鶏、ラム、牛、豚などがあり、リブアイ、ハラミ、サーロイン、フィレといった様々な部位をバリエーション豊かに持ってきてくれます。
さらに、レストランの中央にはビュッフェスタイルの前菜カウンターが広がっていて、お肉も前菜もすべて食べ放題。エンターテインメント性が高くて、グループで行くとすごく盛り上がるんですよね。僕たちは仕事が終わってすぐに向かったので、到着した時の店内はまだ閑散としていました。

直前でも予約が取れたので、もしかしてあまり人気のないお店なのかなと少し心配しましたが、夜7時ごろには満席になっていたので、普通に人気店だったようで安心しました。
テーブルに着くと、まずはお店の方からシステムの説明がありました。食べ放題には2種類あって、アップグレードするとロブスターなどもオーダーできるようでしたが、僕たちは「そこまでは食べられないだろう」ということで通常のコースを選択。

それでも一人当たり80ドル、日本円で12,800円くらいですから、決して安くはないディナーです。












いよいよ食事開始です!まずは前菜を取りに行きましたが、食べ放題上級者の僕は、これらでお腹を満たさないように細心の注意を払います。野菜は多めに取っても大丈夫ですが、炭水化物を取るとすぐに満腹感が来てしまうので、パスタやパン、さらにはビーツなどの糖質の多い野菜も避けるのが鉄則です。

しかし、仲間たちはそんなことお構いなしの様子で、ポテトサラダやパスタ、コーン、パン類をガンガンお皿に盛っていました。「これはお店の罠に完全にはまっているな……」と思いましたが、本人が満足しているのが一番ですし、食事を楽しむのが大前提ですから、僕はあえて何も言わずに見守ることにしました(笑)。
前菜をしばらく楽しんでいると、お待ちかねのステーキが次から次へと運ばれてきます。僕は鶏肉や豚肉には目もくれず、大好きな牛肉の部位にまっしぐらです。お肉は塩味がしっかり効いているのでソース不要の美味しさで、場所によって焼き加減も違うため、好みを伝えるとちょうどいい部分を切り分けてくれます。

僕はここぞとばかりに、周りが引いてしまうくらい、がっつりとワイルドに食べ進めました!
一方、仲間たちはというと、ステーキを数枚食べただけで早くも「お腹いっぱい」とのこと。僕からすれば、あれだけ前菜で炭水化物を摂取していれば当然の結果なのですが、せっかくの食べ放題なのにコスパが悪いなあと、少し残念に感じてしまいました。









彼らは僕の食欲をいつもの焼き肉ディナーでよく知っていますが、今回の僕の食べっぷりには改めて驚いたようで、「どうしてそんなに食べられるの?」と聞かれました。そこで僕が「前菜で炭水化物や糖質の多い野菜を避けて、満腹中枢を刺激しないようにしたんだよ」と種明かしをすると、彼らは目を丸くして「ええー!それを先に言ってほしかった!最初に知りたかったよ!」と本気で悔しがっていました。

僕は笑いながら「でも、こういうのは自分の好きなスタイルで自由に食べるものだし、量を競い合うものでもないから、無理にたくさん食べればいいってわけじゃないからいいんじゃないかな~」と伝えました。彼らも「確かにそうだよね」と納得しつつも、「でも、やっぱりもっと食べたかったかも!」と大笑い。
そういえば、僕たちの隣の席には一人で来ている男性もいて、彼もかなりがっつり食べていました。ここへのおひとりさまか~僕もやってみたいかも~と思ってしまいました(笑)。この焼き肉仲間とのお付き合いももう20年近くになりますが、やはり皆さん食べる量が自然と減ってきましたね。

次からは食べ放題ではなく、量より質を重視した食事に行こうか、という話にもなりました。
今回も彼らと一緒に美味しい食事ができて、本当に楽しかったです。最後はお互いに「Happy Holidays!」と声を掛け合って、それぞれの家路につきました。

最後の写真・・・
僕は内股で立っておりますな。なんとも情けないポーズです(汗)。






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今年もこの季節がやって来ました!

そう、クリスマスパーティーです。Jさんが主催してくれるいつものメンバーでのパーティーも、もう20年近く続いています。中心メンバーの彼氏さんや彼女さんなどのパートナーが入れ替わることはちょこちょことありましたが、コアなメンバーはほとんど変わることなく続いているのには、自分でも驚かされてしまいます。

基本的にこのパーティーは持ち寄りのポットラック形式なので、各自で一品料理を持ってくることになっています。しかし、このメンバーはとにかくアメリカ〜ンな人たちばかりなので、誰も野菜を持ってくる人がおらず(笑)、放っておくと肉か炭水化物がメインの食卓になってしまいます。
以前は野菜を持ってくる人もいたのですが、手を付けるのが僕とDさんと持ってきた本人だけだったので、いつの間にか「野菜は持ってこなくていい」という暗黙の了解ができているような気がします(笑)。

ところが今年は、きれいなお花を形どった大きなサラダプレートが登場して、少し驚きました。誰が持ってきたんだろうと思って聞いてみたら、ホストファミリーのご近所さんが今年初めて参加されたそうで、彼女の家の菜園で採れた野菜を使ったサラダとのこと。









これには僕もDさんも大喜びです!さすが家庭菜園の野菜だけあって、新鮮でシャキシャキの美味しいサラダだったので、僕は何度もお代わりしてしまいました。その他の料理は、僕たちが持ってきたイタリアンのミートボールをはじめ、プルドポークのサンドイッチ、ピザ、コーンブレッド、クッキーなどでした。

20年の移り変わりといいましょうか、メンバーは変わらないものの、パーティーの内容には大きな変化がありました。基本的にこのパーティー参加者は皆さん大酒飲みで、ワインボトルが何本も空いては深夜まで大騒ぎするのがお決まりだったんです。
しかし、なんとメインの酒豪だったホストのご夫婦が禁酒をしているそうで、もう1年以上も飲んでいないとのこと!さらに、コアメンバーのもう一組のゲイカップルも大酒飲みでしたが、40歳を超えてお酒はほどほどにしているそうで、飲む量をかなり控えているようでした。

そんなわけで、今回のパーティーで大酒飲みなのはお騒がせ娘のJさんと、うちのDさんだけとなってしまったようです。その影響もあってか、例年なら後半はバカ騒ぎになるところが、終始落ち着いた雰囲気の集まりとなっていました。一番盛り上がるプレゼント交換も、以前はプレゼントの横取り合戦が激しくて大盛り上がりでしたが、その劇も今年はだいぶ控えめでしたね。










まあ、最終的には80年代や90年代の懐メロでカラオケ大会になり、皆さん楽しそうに歌って踊っていました。どこの国へ行っても、僕たちの年代になると今の歌で盛り上がるよりも、やっぱり懐メロになってしまうのが、この世代のあるあるなのかもしれません(笑)。
最後には、Dさんへの遅れてきたサプライズバースデープレゼントの贈呈もあり、Dさんは大好きなシルバーオークのワインをもらって大喜びでした。ちなみに今回のクリスマスプレゼント交換では、僕が赤ワイン、Dさんがウイスキーを当てました。

こんな感じで、以前は深夜まで続いていたパーティーですが、今回は午後9時にはお開きに。皆さん「メリークリスマス!良いお年を!」と元気に挨拶して帰路につきました。セミ・シニア世代のクリスマスパーティーでした~♪







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素晴らしい~デルタワン・ラウンジ


さて、素晴らしいデルタワンラウンジでのんびりしていたら、いつの間にか搭乗時間になっていました。あんなに快適なラウンジにいたら、あっという間に時間が過ぎてしまい、下手をしたら飛行機に乗り遅れてしまう人もいるかもしれませんね。ゲートに向かうと、いつもとは違い、たくさんのデルタ航空の機体が並んでいて不思議な感じです。

ちなみにJFK空港には僕たちのメインであるユナイテッド航空は就航していないので、こんなに大きな空港なのにユナイテッドの機体が1機もないのは、これまた不思議な光景でした。
僕たちが搭乗ゲートに到着したときには、すでにほとんどの人が機内に入っているようで、ゲートに残っているのは数名だけでした。
飛行機のドアの入り口では年配の女性客室乗務員さんたちが挨拶してくれましたが、行きのフライトの時のように「100メートル先から見てもそれとわかる」ようなゲイ(笑)の乗務員さんは皆無で、ほとんどが女性の方々でした。乗り込んだ機体はボーイング767のかなり古い型で、シートも以前のタイプでした。やはりこのシートは少し苦手です。

席を区切るパネルが妙に低いため、座っていると他のお客さんの顔がすべて見えてしまうのです。前の人が見ているビデオモニターも丸見えで、いったいなぜこんなデザインが最終的に採用されたのか本当に不思議でなりません。さて、JFKからサンフランシスコへの帰りの便は、まさかの6時間を超えるフライトです。

本当に遠いですよね。日本から6時間といえばタイのバンコクあたりまで行けてしまいますし、シンガポールの7時間弱にも迫る距離です。










席に座るとすぐにウェルカムドリンクが振る舞われ、まずは乾杯。今回、僕を担当してくれたのは勤続40年の超ベテランの白人女性でした。彼女は古き良き時代のアメリカのフライトアテンダントを体現しているような、優雅な微笑みを絶やさないサービスが印象的でした。一方、Dさんの方は、お名前からするとネイティブアメリカンのような雰囲気の50代後半から60代くらいの女性で、あまり微笑みのない、少しシリアスで怖めな印象の方でした。

飛行機は全く遅延することなく、時間通りにドアが閉まり出発しました。僕たちのユナイテッド航空はなかなか時間通りに出発してくれないことが多いので、この点ではデルタの勝ちだなと感じました。
離陸して安定飛行に入ると、まずドリンクと温められたナッツが運ばれてきました。しかし、行きの便と同様に、間髪入れずにすぐ食事のサービスが始まるのです。
これは何とかしてほしいものですね。この座席に座っている人たちの多くはデルタワンのラウンジで食事を済ませているはずなので、そこまでお腹が空いていないと思うのです。そうした状況を考慮して、少しドリンクをのんびり楽しむ時間を置いてから食事を提供すればいいのに、やはりアメリカで日本的な「先を読むサービス」を期待するのは間違っているのかもしれません。

あるいは、乗務員さんたちがさっさとサービスを終えて休憩時間を確保したいだけなのかもしれませんね。
そんなわけで、あまりお腹は空いていないものの、強制的に食事の時間となりました。今回はオンラインオーダーで、僕はビーフリブ、Dさんはチキンのタイカレーを頼んでおきました。リクエスト通りに料理が届くか少し不安でしたが、しっかりオーダー通りで一安心。お味の方は、やはりユナイテッド航空よりも美味しい気がしました。

ただサービスに関しては、ドリンクのお代わりを持ってきてくれるわけでもなく、デザートの際もお茶やコーヒーをこちらから頼まない限りオファーもありません。デルタが誇りを持って推奨する「デルタワン」ですが、だからといって特別素晴らしいというわけでもなく、可もなく不可もない普通の内容でした。

僕たちの場合は価格が上がる前に購入した席なので納得がいきますが、直前に往復100万円近くで購入した方にとっては、少し残念に感じてしまうサービスかもしれません。












Dさんと話した結論としては、デルタはラウンジがサービスのピークであり、飛行機に乗ってしまえばユナイテッド航空との差はそれほどないということです。座席の方はユナイテッド航空の方が好きです。しかも、その最高点であるラウンジのスタッフは厳密にはデルタの社員ではなく委託会社の方々だそうです。委託会社のサービスが最高のエクスペリエンスというのは、何とも皮肉なものですね(涙)。

そんなわけで、今回のデルタ航空への「浮気」でしたが、ラウンジは素敵だったものの本気になるまでには至りませんでした。僕たちがサンフランシスコ・ベイエリアに住んでいる限り、やはりこれからもユナイテッド航空を利用することになりそうです。いつも文句ばかり言ってしまうユナイテッドですが、今回デルタを使ってみて「そこまで悪くないのかもな」と思えるようになりました。
さて、今回のニューヨークへの小旅行を振り返ると、ちょっとした気分転換としては最高に楽しかったです。友人と久しぶりに再会し、彼らがどれほど親切で僕たちにとって大切な存在かを確認できたことは素晴らしい収穫でした。やはり旅行というものは非日常を味わうことで、日常では忘れがちなパートナーへの感謝や友人の大切さを再確認し、刺激や新しい経験を与えてくれるものですね。

特に目的もなく街をぶらぶらしてもニューヨークの街は安全でしたし、クリスマスモードで街全体が浮き足立っている感じが僕たちにとっても心地よかったです。そして、ニューヨーク・フィルの演奏は最高でした。あれを聴くためだけにまた来たいと思えるほど、有意義な時間でした。


またこんな旅ができるように、これからも一生懸命働いて、一生懸命節約していかなくてはいけませんね。









これにて今回のニューヨーク紀行日記は終了です。コメント欄を再開しますので、楽しいコメントをお待ちしております!


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さようなら・マンハッタン




素敵な滞在だったマンハッタンのホテルを出発し、僕たちはJFK空港へ向かいました。マンハッタンからJFK空港までは車で交通渋滞にもよりますが平均して1時間前後かかるようですが、僕たちが宿泊していたホテルの最寄り駅から乗れる地下鉄でも、乗り換えなしで空港まで行けるとのことでした。

Dさんは車での移動を希望していましたが、車だと交通渋滞にもよりますが約50分で、費用は150ドル前後かかる見込みでした。
一方、地下鉄なら約60分で、費用はわずか11.40ドルです。そんなわけで貧乏性の僕は、「時間がほとんど変わらないのなら、地下鉄の方が不測の交通渋滞に巻き込まれることもないから安全だ」とDさんを説き伏せ、地下鉄で空港へ行くことにしました(笑)。

地下鉄は思ったよりも快適で、あっという間に空港のエアトラム駅に到着しました。Dさんも「これなら納得」と言わしめるほどの問題のない移動でした。









空港でデルタ航空のチェックインカウンターを探すと、僕たちのチケットはデルタワン(Delta One)だったので、一般のチェックインとは違う、素敵な入口のプライベートな空間のチェックインカウンターに案内されました。セキュリティもデルタワン専用のプライベートセキュリティを通過したため、あっという間にラウンジに到着することができました。
成田空港などでANAがファーストクラス専用のチェックインカウンターを設けているのと同じような、このデルタワンのチェックインには優越感を感じずにはいられませんでした(笑)。そして、今回の日記の主題であったデルタワンラウンジです。

ここはアメリカに数カ所しかなく、デルタ航空の国際線ファーストクラスまたはビジネスクラスのチケットを持った人しか入れないラウンジで、唯一国内線ではニューヨークとLAX、SFO便のファーストクラスのチケットを持つ人も入れるそうです。








ユナイテッド航空のポラリスラウンジのようなものかもしれませんが、先に感想を言ってしまうとこのデルタワンラウンジは、ポラリスラウンジが貧弱に感じてしまうほど広大で豪華で、ただ驚くしかありませんでした。
まず驚いたのはその広さです。

たくさんの異なるセクションに分かれたラウンジスペースがあり、大きな窓ガラスから空港が一望できる温室のような部屋、豪華なバーカウンターのあるセクション、カジュアルダイニングのセクション、大きなテレビがあるコーナー、コース料理が楽しめるレストランセクション、プライベートな会話ができる部屋、静かに休める場所がありました。
もちろんシャワールームもあり、驚くことに無料でマッサージなどのスパサービスまで受けられるのです。また、カジュアルダイニングは日本のデパ地下のようにガラスケースに美味しそうな料理が並び、各セクションには移動バーのようにワイン、シャンパン、ウイスキーなどのカートがあり、従業員たちがその場でお客にドリンクをサーブできるようになっています。

さらに、従業員たちがとても丁寧で親切なので、「ここは日本か?」と思うくらい徹底した教育がなされているようでした。













僕たちはいろいろな国で様々なラウンジを試す機会がありましたが、「評判が良い」と言われていたラウンジでも、ここまで豪華で徹底したものは今まで経験したことがない気がしました。サービスには辛口なDさんもこれには感激しっぱなしになるくらいで、デルタワン、恐るべし!今まで素敵だなと思っていた僕たちのユナイテッド航空のポラリスラウンジが色あせて見えてしまうほどの素晴らしい空間でした。









僕たちは最初に温室のような部屋で大きな飛行機を眺めながらドリンクを飲み、その後はこのラウンジの目玉と言われる、コース料理が楽しめるレストランの方へ行きました。まず入り口のレセプションで名前を告げると、オンラインで本当にこの人物がこの日のビジネスクラスかファーストクラスのチケットを持っているかを確認し、その上で搭乗時間を確認してダイニングを楽しむ時間が十分にあるかもチェックしているようでした。

僕たちが案内されたテーブルは、なぜかゲイの人たちが集まる場所で、隣も、その隣も皆さんゲイで、かなり出来上がっているようで盛り上がっている様子でした(笑)。まずは泡とワインで乾杯。礼儀正しい、これまたゲイのウェイターがオーダーを取ってくれて、前菜にタイカレー風味のムール貝の白ワイン蒸しとマグロのタルタルを楽しみました。
ムール貝はピリ辛で、蒸しすぎないぎりぎりの加減で調理されていて、かなり美味しかったです。マグロのタルタルは、漬けマグロというか、マグロのポケのような感じで、これもまた美味しい一品でした。メインにDさんは和牛バーガーを、僕は銀鱈の味噌漬けがあったのでそちらを頼みました。

ポテトはいまいちだったようですが、和牛バーガーは肉汁が滴る期待以上のものであったとのことでした。僕の銀鱈の味噌漬けは、日本で食べるものと遜色ないくらい脂の乗った美味しい味噌風味でした。アメリカでこんな銀鱈が食べられるなんて驚きです。


このデルタワンラウンジに、僕もDさんも魅了されてしまい、デルタへの浮気が本気になりそうな気がしました(笑)。




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この日、僕達はマンハッタンとお別れをすることになりました。Dさんが事前に調べた情報によると、JFK空港のデルタワンラウンジは、航空会社のステータスに関係なく、ファーストクラスまたはビジネスクラスのチケットを持っている人だけが入れるかなり素晴らしいラウンジがあるとのことでした。





そのラウンジを体験するために、時間に余裕を持ってマンハッタンを出発することにしました。しかしながらフライトは午後3時頃だったので、そこまで急ぐ必要はありませんでした。
それなら、最後の豪華なホテル朝食を楽しもうということになり、前もってルームサービスで朝食をオーダーしておきました。

通常、ルームサービスは時間通りに来なかったり、注文からかなり時間が経ってから届く経験が多いのですが、さすがパークハイアット・ニューヨークです。時間通りきっかりに朝食を持ってきてくれました。
今回も同じアジア人の職員が運んできてくれて、エレガントに窓際にテーブルをセッティングしてくれました。
マンハッタン最後の朝にふさわしい朝食のセッティングです。僕がオーダーしたのはロブスター・スクランブル(LOBSTER SCRAMBLE)で、記録のために記載しておくと、これが50ドル、日本円にして7,800円でした。Dさんが注文したニューヨーク・ブレックファスト(NEW YORK BREAKFAST)に至っては56ドルで、日本円にして8,700円です。

ドルで見ても高額ですが、円に換算するとより一層驚く値段でして、僕たち一般市民が簡単に食べられるような朝食ではありませんな。Dさんのホテルのステータスのおかげで、こんな素敵な上流市民の朝食を口にすることができましたが、自腹では到底無理な話です。

こんなバグった値段でも躊躇しないで済む生活をしてみたいものだと笑ってしまいました。







朝食の後はまだ時間があったので、朝の散歩に出かけました。Dさんはまだセントラルパークに行ったことがないというので、それじゃあセントラルパークを歩いてみようとてくてく歩いていくと、公園の中を走る馬車が目の前を通り過ぎました。

馬車の後ろには旭日旗が掲げられており、これはある国の人たちには受け入れられないかもしれないな、C国の人たちが見たら文句を言うかもしれないな、と思ってしまいました。この馬車は観光客に人気で、結構な人が乗っているのです。
しかし、値段を見て驚きました。公式サイトによると、25分で100ドル、35分で130ドル、1時間で160ドルから180ドルとのことでした。そうそう気軽に楽しめるエンターテイメントでもないような気がします(笑)。でも利用している人が多いので、僕は趣味ではありませんがこういうの皆さん好きなのですね。

さて冬のセントラルパークも素敵ですが、次回は新緑が萌える頃に来て、レンタル自転車でも借りて公園の中をサイクリングしてみるのもいいかもしれないとDさんと話しました。











朝の散歩で少し体が温まってからホテルに戻りました。ホテルの方には本日からとんでもないVIPが宿泊しているようで、ホテルの裏側は警察によってブロックされ、入り口の方もたくさんの警察官で警備されていました。僕たちが泊まったフロアにも、個人的なSPのような人がいて、とある部屋の前に椅子を置いて警備しており、物々しい雰囲気になっていました。
僕たちはシャワーを浴び、荷造りをして、いろいろな人からいただいたお土産やDさんが買ったフォアグラなどを詰め込みました。パンパンになったスーツケースでチェックアウトの準備が完了です。今回のパークハイアットの感想としては、さすが一流ホテルというものでした。

スタッフは洗練されており、素晴らしいサービスを提供してくれます。目が合えばしっかりと挨拶をし、必要なものは何でも揃えてくれました。例えば、室内の冷蔵庫はドリンクが詰まっていて他のものを入れる余裕がない作りでした。自分たちの持ってきたワインなどが入らないなと思っていた時に、マネージャーさんが「それではスペアの冷蔵庫をお持ちしますね」と、小型の冷蔵庫を用意してくれました。
また、ちょっとした行き違いがあった時も、僕たちが彼らのミスを寛容に了承したからなのか分かりませんが、部屋に戻ってきたら上等なワインボトル1本と素敵なおつまみが一緒に提供されていたりしました。派手さが全くなく、どちらかというと地味な印象のホテルでしたが、その分サービスでしっかりとカバーしているなと感じられ、おかげで大変心地よいニューヨークでの滞在をすることができました。

前回ニューヨークに来た時はごく普通のランクのホテルでしたので、ここまでのサービスはありませんでした。しかし、このホテルでの滞在が、今回のニューヨークの時間をいつもよりもずっと上質な旅にしてくれたのは間違いありませんね。





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クリスマスムードでにぎわうマンハッタンでのショッピングを終えた後、一度ホテルに戻り休憩を取りました。その後、電車でマンハッタンから北へ約1時間の場所へ移動します。ホテルを出発し、まずはグランドセントラル駅へ向かいました。そこで、久しぶりに紙の切符を購入。

アプリでもチケットは購入できるようですが、一般の観光客である私たちには、昔ながらの紙チケットの方が旅情があって良いものです。
電車はほぼ時間通りに出発。ハーレムやヤンキースタジアムの脇を通り、マンハッタン島を離れてハドソン川沿いの路線を北上していきます。
車内には多くの乗客がいましたが、幸い座ることができました。出発からしばらくすると、車掌さんによる検札がありました。切符を確認した後、紙の短冊のようなものに穴を開け、それを座席に差し込むという、非常にアナログな方法で行き先をチェックしています。

タブレットなどで電子化すれば効率的なのに、とも思いましたが、異国情緒あふれる旅の光景として面白く感じられました。
電車はあっという間に目的地に到着。ハドソン川に夕日が沈む美しい時間帯でした。









到着した町は、川沿いのこじんまりとした場所で、緑が多く自然が残る閑静な住宅地でした。あんなに雑踏としていたマンハッタンから1時間もかからずに、これほど風景が一変することに驚かされます。本日この地で私たちを迎えてくれたのは、このブログにも時折登場する、美人妻さんと東海岸まっすぐさんのご夫婦です。

お二人は東京とニューヨークに家を持ち、往復する多忙な生活を送られています。私が美人妻さんと知り合ったのはDさんと出会うよりも前ですから、もう何十年のお付き合いになります。彼女は美人で、知性と品を兼ね備えた本当に素敵な方です。
今回のニューヨーク旅行を伝えたところ、「それならニューヨークで一緒にご飯を食べましょう」ということになり、Dさんと共に彼らのご自宅に招待していただきました。駅まで美人妻さんが車で迎えに来てくださり、ご自宅に到着すると、旦那さんが腕を振るって料理を用意してくださっていました。

ご覧ください、この素晴らしい料理の数々!お寿司、鯛の刺身、太巻き、新鮮な生ガキ、シャクトリー、チーズ、そしてステーキまで。さらに〆としてパスタも準備してくださっていましたが、中年二人組にはそこまでたどり着くことができませんでした。特に鯛の刺身と生ガキとステーキは格別で、鯛の刺身は塩昆布と一緒に食べる趣向になっており、Dさんも大変喜んでいました。








このご夫婦とは滅多に会う機会はありませんが、久しぶりに会ってもまるでつい最近会ったかのように会話が弾み、とても楽しい時間を過ごすことができました。たくさんの準備をしてくださったこと、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

楽しいひとときを過ごした後、私たちは電車でマンハッタンのグランドセントラル方面に戻りました。そのままホテルに帰ることもできましたが、夜の五番街はクリスマスデコレーションが有名なので、それを見ながら帰ることにしました。さすがに有名スポットだけあって、観光客がごまんと集まっており、身動きができないほどの人出でした。
しかし、クリスマスデコレーションは息をのむほど美しかったです。各店舗が趣向を凝らした飾り付けや電飾でキラキラと輝く様子は、まさに「これぞニューヨークのクリスマス!」といった感動的なものでした。美味しい料理と、楽しい人々との会話、そしてきれいな街並み。本日も非常に充実した、素晴らしい一日となりました。

  

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新しい朝がやって来ました。窓からカーネギーホールを眺めると、うっすらと雪化粧が施されているようでした。どうやら夜のあいだに少しだけ雪が降ったようです。気温を見ると0℃。前日よりもずっと暖かく、ホテルの方が「雪が降る日は晴天より暖かいものですよ」と言っていたのは本当なのだと実感しました。
さて、この日はDさんが仕事で知り合った方と朝食の会食がありました。僕も誘われたのですが、ご存じの通り僕は人と会うことがあまり得意ではなく、ましてや知らない人と朝から顔を合わせるのは絶対に無理!ということで、一生懸命誘ってくるDさんに対して、断固としてNOを突きつけ、「これ以上絶対に誘わないで!」と言わんばかりの強い口調でお断りしました。

せっかくの休暇に知らない人と会うなんて、本当に勘弁してほしいのです。











そんなわけで、この日は朝散歩をしてから、例のホテルの無料朝食でもいただこうと思っていました。しかし、窓の外に広がる雪化粧の寒々しい街並みを見ると、急に散歩に行くのが面倒になってしまいました。温かいベッドの上でひとりでうだうだ過ごしているうちに、予約していた朝食の時間が近づいてきたため、まずは朝食を先にいただくことにしました。

今回のホテルではレストランでの朝食に加え、前夜に頼んでおけばルームサービスで朝食を部屋に届けてくれるとのこと。パークハイアット・New Yorkの部屋で街並みを眺めながら朝食をいただく、そんな経験を一度してみたいと思い、事前に注文しておいたのです。
時間ぴったりにドアベルが鳴り、アジア系のお兄さんがテーブルとともに朝食を運んできてくれました。「お食事は窓際にセットいたしましょうか?」と丁寧に聞いてくださったので、そのようにお願いしました。お兄さんは手際よくテーブルをエレガントに整え、テーブルの下に隠れるように設置されていた保温箱から、アツアツの朝食を並べてくれました。

今回頼んだのは、スカートステーキと目玉焼きのプレート。お値段はメニュー表記で45ドル(約7千円)。下には炒めた野菜とポテトが添えられています。「う〜ん、なんて素敵なんだ」と、僕は一人で大喜び。冷めないうちにいただくと、もう、本当においしい朝食でした。お肉は柔らかく風味豊かで、朝からこんな贅沢なステーキを食べていいのだろうかと思ってしまうほどの満足感でした。













朝食のあとは体も温まり元気も出てきたので、寒空の下、朝の散歩に出かけることにしました。泊まっているホテルからセントラルパークはすぐ近くということで、少しだけ公園内を歩いてみることにしました。残念ながら紅葉の時期はすでに終わり、木々は枝だけになって少し寂しい景色ではありましたが、公園越しに見える高層ビル群のコントラストが美しく、ジョギングしているイケメンさんや、馬車に乗ってはしゃぐ観光客の姿を見ると、こちらも自然と温かい気持ちになります。

さらに進むとアイスリンクがあり、大勢の人がスケートを楽しんでいました。僕はそのまま東側へ抜け、マディソンアベニューへ向かいました。実は、ホテルのマネージャーから「このホテルのアメニティに使われている石鹸などはLe Laboのもので、お店を訪れてルームキーを見せると香水のサンプルギフトがいただけますよ」と教えてもらっていたのです。タダでもらえるものには目がない僕としては、これは見逃せません(笑)。
幸いにもLe Laboのお店はセントラルパークを抜けてすぐの場所にありました。ちょうど唇が乾燥していたのでBalmを購入しつつ、「ルームキーを見せるとギフトがいただけると聞いたのですが…」と控えめに尋ねると、お店の方が「はい、もちろんです!」と嬉しそうに言って、立派なギフトを渡してくれました。

僕は普段、香水を身につけることはほとんどないのですが、クローゼットや、シーツを掛ける前のマットレスに軽く吹きかけることがあり、そうすると脂ぎった中年の加齢臭で満ちている部屋の空気が少し柔らぐ気がします(笑)。強い香水の香りは苦手ですが、ほんのり香る程度なので、加齢臭でお悩みの方にはおすすめです。












散歩を終えてホテルに戻ると、ちょうどDさんも朝食会を終えて戻っていました。ここからはDさんのショッピングに付き合います。ご存じの通り、カリフォルニア州では動物愛護の観点から、フォアグラやフカヒレスープの販売が禁止されています。このブログを読んでくださっている方ならお分かりだと思いますが、Dさんも僕もフォアグラが大好き。
旅行の際、入手できる国や都市では必ず購入して持ち帰ります。NYCでもフォアグラがまだ購入できるとのことで、NY在住の美人妻さんから「キャビアのコースが楽しめるお店でフォアグラのテイクアウトができる」と教えていただき、さっそく訪れてみました。

お店は豪奢で少し成金趣味の匂いを感じさせる雰囲気でしたが、スタッフの方は親切で、扱っているフォアグラについて丁寧に説明してくれました。今回はフランス産のフォアグラを一つ購入。















その後、ぶらぶらとPark Avenueを歩いてグランドセントラル駅に向かいました。ここは日本でいう東京駅のような存在でしょうか。以前フォアグラとキャビアのお店があった記憶があったので行ってみると、しっかり残っていました。こちらにはムース状の比較的お手頃なフォアグラもあったので、それも追加で購入。年末のカウントダウンのおつまみとして活躍してくれそうです。









このあと僕たちは5番街へ戻り、南下しながら本日のランチのお店「THE GALLERY by odo」に向かいました。NY在住で、いつも素敵な情報をInstagramで発信されている方が紹介していたお店で、僕としてはとてもNYらしい雰囲気のレストランだと思い、Dさんに話したところ「ぜひ行ってみよう!」ということで予約を入れました。

Michelin-starred chefであるHiroki Odo氏が監修しているらしく、店内は洗練された雰囲気。寿司系のメニューが中心のようですが、ハンバーガーなどもあって気取りすぎない感じが心地よいです。僕たちは日本酒とビールで乾杯しました。おつまみにはチキン南蛮を注文。
甘すぎるタレを使う店が多い中、ここのタレはすっきりとした甘みで、タルタルソースも恐らく自家製。ゆずのピールが入っているのか、ところどころに爽やかな香りが広がって、とても良いアクセントになっていました。メインには、Dさんは三色マグロ丼、僕はちらし寿司を選びました。

Dさんのマグロは、中トロも大トロも口の中でとろけるほど美味だったとのこと。僕のちらし寿司には鮭、マグロ、鯛、いくら、玉子焼きが入っており、日本で食べるものと遜色のない美味しさでした。洋食が続いていたので、このタイミングで和食にありつけたことがとても嬉しかったです。


このお店は本当に気に入りました。次回NYを訪れた際には、ぜひ夕食にも利用したいと思います。やはり良い情報は現地の方に聞くのが一番ですね。






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Whitney Museum of American Art


Whitney Museumで心ゆくまで現代アートを堪能したあとは、いったんホテルに戻ってのんびり休憩し、この日のメインイベントへ向かいました。今回の旅の目的のひとつでもあった、ニューヨーク・フィルハーモニックによるドヴォルザーク《新世界より》の演奏を聴きに行くのです。

僕たちは夜の演奏会のチケットを購入したつもりでいたのですが、実際にはなぜか午後2時の公演でした。午後7時開演と思い込んで全ての予定を組んでいたため、事前に確認し直して本当に良かったです。危うく午後7時に会場へ行って「本日の演奏はすでに終了しました」と言われるところでしたね。
リンカーンセンターに到着すると、すでに多くの人たちが集まっており、それぞれ思い思いに時間を過ごしていました。僕たちも泡ワインを注文し、これから演奏される曲目を軽く復習したり、周囲のお客さんを眺めたりしながら、会場の雰囲気にゆっくりと浸りました。

ほどよく泡ワインで気分がほぐれたころ席に着くと、会場はほぼ満席。やはりNYフィルの人気の高さを実感させられます。今回の演奏は著名なGustavo Gimeno氏の指揮で、BernsteinやGershwinの作品に加え、新世界も演奏されるとのことで期待が膨らみます。

そしていよいよ開演。










最初に演奏されたBernsteinとGershwinの2曲は、僕自身には馴染みのない曲でしたが、どちらも迫力と躍動感に満ち、思わず引き込まれてしまいました。小休止を挟み、いよいよ真打のドヴォルザーク《新世界より》。これはもう圧巻でした。この曲は王道中の王道で、僕も冒頭から終わりまで全てを知っている曲ですが、その“知っている音楽”が目の前で最高のクオリティで響き渡るという体験は感激そのもの。

ずっとこの時間が続けばいいのに、と心から思えるほどでした。
こうした体験は、物欲を満たす感覚とはまったく異なり、心の芯からじんわりと温かくなるような、しかも長く余韻の残る満たされ方なのだと改めて感じました。演奏が終わると観客全員がスタンディングオベーションで、素晴らしい演奏への感謝を表しました。このような貴重な時間を味わえたこと、そしてその経験を共有できる相手がいることに、深い感謝の気持ちが湧き上がりました。













演奏の余韻を楽しむため、近くのバーで泡ワインとおつまみをいただきながら、感じたことを語り合いました。実は僕にとって《新世界より》は、人生3枚目のレコードでもあります。ちなみに1枚目と2枚目は、小学生のときに母が買ってくれたベートーベンのカラヤン指揮の《運命》と松田聖子の『スコール』でした(笑)。

そんなわけで、この曲には小学生の頃から特別な思い入れがあり、母とも何度も一緒に聴いた曲でした。そのため、今回の生演奏では、亡き母との思い出が鮮やかに蘇り、母と一緒にこの演奏を聴きたかったな、と込み上げてくるものがありました。香りが記憶を呼び戻すとよく言われますが、音楽にも同じような力があるのですね。
最近、母の記憶を思い出そうとしてもどうしてもぼんやりしてしまうことが多かったので、この記憶はほとんど忘れ去られていたといってもいいくらいのものでしたので、小学生のころの温かな思い出が鮮明に蘇ってくれたことが、本当に嬉しかったです。フォアグラと生ガキをつまみながらこの話をDさんにすると、彼もウルッとしながら聞いてくれました。あぁ、本当に音楽とは素晴らしいものですね。

物を買うよりも、五感を感じられるものに消費することはいいことであるとよく聞きますが、こういう経験をすると本当にそうだな~と思えます。正直言いますとこのコンサートのチケットは貧乏性の僕としては購入するのにドキドキしてしまう感じのお値段でしたが、お値段以上の経験や昔の記憶を思い起こすことができて嬉しかったです。

また、この日の経験も時がたった時に思い出して温かい気持ちを思い出させてくれることでしょう。












演奏の後はホテルへ戻ってお風呂で一息つき、ゆっくりしたあと、夕食を食べに出かけました。この日は急遽予定が変わったこともあり、予約が取れる店を探して、何とか見つけたイタリアン食材店・Eatalyの一角にあるレストランに席を確保してから向かいました。
店内は大盛況でほぼ満席でしたが、予約をしていたおかげですぐに着席できました。僕たちはファミリースタイルでスープ、ピザ、パスタを注文し、ワインと一緒にシェアしながら味わいました。レストラン自体はカジュアルで落ち着いた雰囲気とは言えませんが、明るく楽しい空気があふれ、気持ちの良い時間を過ごせました。
Eatalyは、サンフランシスコにも支店がありますが、こちらは総本店のようです。イタリアでもこのお店があるそうで、NYCにはじめてアメリカのこの支店を作ったとのことで、食べ物は結構本格的でおいしかったです。













お腹いっぱいになったので、帰りは少し寒かったものの歩いてホテルへ戻ることにしました。途中にはメリーゴーラウンドがあり、エンパイア・ステート・ビルが見え、タイムズスクエアも通り、街を歩くだけでエンターテインメントに満ちあふれたニューヨークを感じることができました。
いやぁ、ニューヨークって本当に楽しいですね!




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ニューヨークでの新しい朝がやって来ました。携帯を見ると外気はなんと−7℃。これは寒い!窓のそばに立つと、外気の冷気がじんわり伝わってくるほどの寒さだということがわかります。天気は快晴で風も強く、体感温度はさらに低くなりそうです。

ホテルの方が言っていましたが、晴天の時よりも雪が降っている方が暖かく感じるそうで、この日もその通りでした。さて、僕たちは普段は朝食を取らないタイプなのですが、このホテルではDさんのステータスのおかげで朝食が付いています。無料と聞けば何でも欲しがってしまう僕は、あまり乗り気でないDさんを半ば強引に連れて、レストランへ行ってきました(笑)。
Dさんのステータスだと、温かいものと冷たい飲み物が1つずつ、そしてメイン料理を頼むことができるそうです。メニューを見てみると、さすがのホテル価格。一番高いNY朝食セットは$60(約9千円)、コーヒー1杯が$12(約1800円)。ここに強制サービス料18%と税金が加わるわけですから、普段なら到底手の出ない朝食であります(汗)。

メニューにはアメリカンな朝食が並んでいましたが、なぜか冷やし日本そばがあったので頼んでみました。冷やし中華のように野菜がたっぷりトッピングされていて、チャーシューの代わりに焼き鮭。たれはゴマ風味のピリ辛です。日本人からするとかなり風変わりな日本そばで、朝からこんなものは食べないぞ~と思いつつも、味は悪くありませんでした。








この日はDさんのリクエストで Whitney Museum に行くことにしました。こちらは現代アートが中心の美術館で、人気スポットのハイラインのそばにあります。当初はホテルからのんびり散歩しながら向かう予定だったのですが、外気は−7℃。一応歩き始めてみたものの、肌を刺すような寒さで、手袋も帽子もまるで役に立たず、鋭いナイフのような冷気が体に突き刺さってきます。
数ブロック歩いたところで2人ともギブアップし、地下鉄で美術館へ向かいました。事前にネットでチケットを購入していたので、QRコードを見せて無事に入館。まずは最上階へ行き、そこから順に下のフロアへ降りていく作戦です。美術館はハドソン川のすぐそばにあり、対岸のニュージャージーや自由の女神も見渡せました。建物は天井が高く、すっきりとした印象です。







さあ、芸術を楽しみましょう〜!Dさんは比較的現代アートが好きですが、僕はと言えば、現代アートの良さがほとんどわからない人間です。芸術などわからぬ下層市民でありますので、現代アートを前にすると「ナニコレ?」「ゴミ?」「いたずら書き?」「ちょっとイッちゃってる人が作った?」という下等な感想しか出てきません(汗)。
Andy Warhol や Keith Haring が出てくると「これ知ってる!」と少し安心し、草間彌生さんの作品には「相変わらずわけわからんもの作ってるな〜」と悪態をついたり。中には本当にゴミを集めただけのような作品もあり、さすがのDさんも「これってホームレスキャンプにありそうだよね…」と感想を漏らすものまでありました。








こういう現代アートって、どこかのコネで“芸術”と認められたり、一部のお金持ちが気まぐれで気に入って購入して価値が上がり、その値段を見たアートを理解しない一般人が値段を基準にアートの価値を判断して美術的価値があると思い込んでそれが安定していくのかもしれませんね。

本当なら僕の理想としては「Whitney Museum 素敵だった〜」
-「日用品を再構成しているのが面白い。消費社会への批評的視線を感じます。」
-「何を美しいと感じるかという基準そのものを問いかけているようですね。」
-「この奇妙な空白、見れば見るほど意図的なノイズに思えてきます。」
-「不均衡さがむしろ緊張感を生んでいて好ましいですね。」By ChatGPT
などと高貴な感想をブログに書いてキラキラ輝きたかったのですが、残念ながらそこまで噓をつけるメンタルがないので正直に言ってしまいましょう。僕たちには現代アートの理解は難しく、見ているうちになんだか疲れてしまったというのが正直なところです。現代アートファンの皆さま、正直すぎて申し訳ありません!

もちろん素直に面白いな~とかちょっといいかも、と思えるものもありましたが、基本的にはWhitney Museum の作品の多くはそこまで、心を揺さぶるものがなかったようでした。その後は美術館を出て、寒空の下ハイラインを歩いて Vessel まで行きましたが、寒さのあまり2人とも会話する気力も失われてしまいました。結局地下鉄に乗ってホテルへ戻ることにしました。


   






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地下鉄に乗って、本日から数泊お世話になるホテルの最寄り駅にやってきました。地下鉄からホテルまではほんの数分。そしてついに、今回の滞在で楽しみにしていたホテルへ到着です。そう、今回のNYC滞在では Park Hyatt New York に泊まることにしたのです。

このブログの読者のメイン層は日本人のゲイ男子なのですが、僕のブログでは「航空会社のいい席に乗る」とか「キラキラ感のあるホテル」の名前を出すとアクセス数が驚くほど伸びるので、いつも通りいやらしいタイトルの日記にしてしまいました。
申し訳ありません!
しかしながら、やはり多くの人に読んでいただけるのは素直に嬉しいので、こういうタイトルはつい使ってしまいます(汗)。僕もDさんもNYCには何度も来ていますが、Park Hyatt New York に泊まるのは今回が初めてです。エントランスを見ても分かるように、他の著名なNYCのホテルのような派手さはなく、どちらかというと地味で落ち着いた佇まい。

入口には、ロビーフロアへ上がるためのエレベーターがあるだけです。そのエレベーターでロビーフロアに上がると、まずレストランがあり、そこをぐるりと回った先にチェックインカウンターがあります。しかしここもまた非常にこじんまりしており、僕が想像していた「Park Hyatt New York」の豪華さではありませんでした。







Dさんももっとグラマラスな空間をイメージしていたようで、アンダーズ東京の方がよほど華やかで存在感があると感じたようで、少し拍子抜けした様子でした。とはいえ、チェックインはとてもスムーズで、すぐに鍵を受け取り、マネージャーさんが部屋まで案内してくれました。

僕たちの部屋は中層階。窓の外にはカーネギーホールが広がるシティービューで、派手さはないものの、木目調の落ち着いたモダンなデザインでスタイリッシュです。ゆったりしたエントランスを抜けると広いバスルームがあり、大きなバスタブがあるのは嬉しいポイント。
さらに広々としたレインシャワーまでありました。寝室はそこまで広くはありませんが、これまで泊まったNYCのどのホテルよりもゆとりのある間取りで、居心地のよさを感じます。

「これがPark Hyatt New Yorkか…」と期待しすぎたせいか感動で震えるほどではありませんが、心地よい滞在ができそうです。25階にはプールやサウナやジムがあり、宿泊者はいつでもアクセスできるとのことでした。











チェックインを終えた後は、Dさんの部屋で飲むワインとユニクロの手袋を買うために、五番街(Fifth Avenue)まで散歩することにしました。さすが五番街、ものすごい人! ルイ・ヴィトンのトランクのような外装の工事中ビルや、記念撮影をする人で賑わうトランプタワーなど、ありとあらゆるブランド店が立ち並び、ここでは買えないものはないのでは?と思うほどの充実ぶりです。

皆さん買い物をした戦利品を持ちながら嬉しそうに道を歩いています。しかし、僕もDさんもそれほど物欲が強いわけではないので、洋服も靴も時計もバッグも、特に欲しいものはありませんでした。物欲が低いとこいう時は楽ですね~。その後五番街のユニクロでDさんが手袋を購入。
Dさん曰く「下着は銀座のユニクロ、手袋はマンハッタンの五番街のユニクロで買う」というのがちょっと嬉しいみたいです(笑)。さて、ワインを買って帰ろうかと思ったら、すぐそばがロックフェラーセンターでした。そういえばここのクリスマスツリーは有名だし、ちょうどライトアップが始まったばかりだったはず…ということで寄ってみることに。

途中、長い列があったので「これはクリスマスツリー待ちの列かな?」と思ったら、実はレゴショップや、いま話題のホットチョコレートのお店に並ぶ列でした。いや~寒いのにNYの皆さん、本当に気合い入ってますね。
僕たちは思っていたより混んでいなかったロックフェラーセンターのクリスマスツリーの目の前に到着。

やはりこのツリーは圧巻です。きらめく電飾、大きな金色の天使のオブジェ、そしてアイスリンク――まさに「アメリカのクリスマス!」という光景でした。ちなみにあのアイススケートは1時間で150ドル(約2万3千円)ほどするみたいです。










ここで数枚記念撮影をして、五番街をぶらぶらした後はホテルへ戻り、大きなバスタブで入浴してゆったりホテルタイム。日本で買ってきた発泡入浴剤のバブも持ってきていたので、より贅沢なバスタイムになりました。
そろそろ夕食の時間。この日の夕飯は、ニューヨーク在住の「美人妻さん」に教えてもらったフレンチレストランに予約を入れていました。

Dさんにとっては初めてのお店です。アッパーイーストにあるそのレストランは、昔ながらの雰囲気が漂い、今風のスタイリッシュさはありませんが、そのレトロな空気感が温かみを感じさせます。店内に入るとほぼ満席で、観光客というより地元の常連さんが多い印象。
僕たちの隣のテーブルにはフランス人の家族が楽しそうに食事をしていました。僕はこの日はお酒の気分ではなかったのでアルコールはDさんに任せ、食事に集中。まずは前菜としてフレンチオニオンスープとエスカルゴが運ばれてきました。このオニオンスープ、めちゃくちゃ美味しい! じっくり炒めたタマネギの深いコクに、とろけるチーズが合わさって本当に素晴らしい味です。エスカルゴもニンニクたっぷりのバター風味が効いていて絶品。

メインには、Dさんはビーフ・ブルギニヨン(牛肉の赤ワイン煮込み)。ほろほろに煮込まれた牛肉が寒いNYにぴったりの濃厚な味で、Dさん曰く「サンフランシスコで食べるものよりずっと美味しいね」とのこと。僕はこの日のスペシャルだったスカートステーキを注文。

マッシュポテトとインゲン豆が添えられたそのステーキは圧巻で、ステーキなのにナイフがいらないほど柔らかく、濃厚なソースが絶妙に合って、まるで別次元のステーキを味わっているようでした。サービスも程よく行き届いていて、お店の雰囲気もよく、地元のレストランでゆっくり楽しむような素敵な時間となり、Dさんも僕も大満足でした。


その後はホテルへ戻り、その日の感想を話しながら就寝しました。




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ニューヨークの朝がやって来ました。気温は1℃ということで、結構肌寒いですね。前日はNY時間の深夜12時に床についたのですが、僕が目覚めたのは午前5時。てっきり寝坊するかと思っていたのですが、しっかり目が覚めてしまいました。僕たちは3時間時差のあるカリフォルニアから来ているので、僕が起きだしたこちらの午前5時はカリフォルニアでは午前2時。体内時計がめちゃくちゃです。
一方のDさんはぐっすり眠ったようで、こちらの時間で午前8時になってようやく起き出した感じでした。羨ましいです~。ホテルの部屋にはもちろんコーヒーメーカーもあるのですが、正直あまり美味しいコーヒーや紅茶ではありませんでした。そこで「エスプレッソマシンがあるかな?」と思いラウンジに行ってみると、ちゃんと置いてありました。

そこで美味しいカフェラテを作って部屋に持ち帰りました。ラウンジではしっかりとした朝食も取れるようでしたが、この日はランチとディナーをがっつり食べる予定だったので、いつも通り朝食はスキップしました。そしてこの日は、ブルックリン在住の友人F&Jさんと一緒にギリシャ料理を楽しむことになっていました。











Fさんは日本人で、僕がブログを書き始めた頃から読んでくださっていて、彼らがカリフォルニアに遊びに来た時にお会いして以来のお付き合いなので、かなり長い関係になります。僕はNYCに行くと、ほぼ必ずと言っていいほどF&Jさんカップルに会っていただいていて、いつも素敵なNYCのグルメ情報を教えてもらっています。

僕は日本人の友人が少ないので、毎回こうして僕のために時間を割いてくれるお二人には感謝感激です。今回訪れたのは、シーフードが美味しいQueensのAstoriaにあるギリシャ料理店。NYCに来るとどうしてもこのお店に行きたくなります。サンフランシスコ・ベイエリアにもギリシャ料理店はあります。しかし、これらは中東系の方が経営していることが多く、シーフードが少なくケバブ系が中心なので、こちらのような本格的な海鮮ギリシャ料理はなかなか味わえません。Dさんも僕もギリシャのシーフード料理が大好きなので、今回の会食もこちらでぜひということで、お二人に一緒に行っていただきました。

彼らはホテルまで迎えに来てくれて、彼らと共にかわいい飼い犬にも久しぶりに再会。僕たちの宿泊先であるJFK空港近くのホテルから、車でQueensのAstoriaへ向かいました。Queensはブルックリンとはまた違った雰囲気の街で、車窓から街並みを眺めたり、久々の近況報告をしたりしているうちに、あっという間にお店に到着しました。







こちらのお店は人気店で、夕飯時は100%並ぶことになりますが、この日はランチの開店と同時に入店したので並ばずに好きな席に座ることができました。これはラッキーです。まずは再会を祝して乾杯! 料理も次々とテンポよく運ばれてきました。今回頼んだのは、ギリシャサラダ、タコのグリル、イカのグリル、イワシのグリル、そしてエビのグリル。
直火で焼かれた海鮮にオリーブオイルがたっぷりとかかっていて、食材の味をそのまま楽しめる最高に美味しい料理でした。さらにライス、レモンポテト、チャドなどの副菜も並び、テーブルはギリシャ料理の花が咲いたように華やかになりました。








平日のお昼にも関わらず店内は満席で、席待ちの人まで出ている様子でした。ここは明るい店内で、スタッフのサービスも良いので、いつ来ても素晴らしい体験ができます。4人ともお腹いっぱいになり、最後に記念写真を撮って楽しいランチを締めくくることができました。本当にF&Jさんには感謝でいっぱいです。
Dさんもとても楽しい時間を過ごせたようで、すごく喜んでくれました。食事の後、僕たちはマンハッタンへ向かいました。この日からはマンハッタンのホテルに宿泊する予定だったのです。するとF&Jさんが近くの駅まで送ってくれたので、僕たちはそこから地下鉄に乗り、その日からお世話になるホテルへ向かいました。

 






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さて、いろいろと思うところのあったデルタ航空の SFO–JFK 便ですが、今回は予定よりも30分ほど早く着陸しました。「お、素晴らしい!」と思ったのも束の間、どうやら早く着きすぎたせいかゲートの準備が整っていなかったようで、飛行機は誘導路で30分近く待機することに。

結果的には、そこまで早い到着とは言えませんでしたが、定刻どおりに着いてくれただけでもありがたいことですね。
いつもどおりしっかり多めのアルコールを楽しんでいたDさんは、飛行機を降りる頃にはかなり出来上がっていたように見えました(笑)。このあと荷物を受け取り、タクシーでホテルへ向かいました。
空港の外に出ると気温は3℃。「ああ、これがNYの冬か」と思わせる空気でしたし寒いことは寒いのですが、刺すような厳しさではありませんでしてほっとしと安心。タクシーやUberを待つ人の列はかなりの長さで、30分町くらいだったかな?さすが巨大都市の空港その光景にも圧倒されました。










今回のフライトは午後8時半過ぎの到着だったため、このままマンハッタンへ移動するのは避け、空港近くのホテルで1泊することにしました。こちらはDさんのハイアットのステータスのおかげで無料で宿泊することができました。部屋は空港近くのホテルらしいシンプルな造りで、窓からはブルックリンの街並みが見えました。
そしてこのホテルは、NYでは唯一カジノを併設しているホテルでもありました。せっかくなのでカジノエリアを少し歩いてみたところ、ギャンブルを楽しんでいるのはアジア系と黒人の方々が中心で、その他の人種の姿はあまり見かけませんでした。最近ラスベガスへ行きましたが、客層が全然違いますね。

僕たちは、ホテルには9時半くらいに着いたので、もう普通のレストランは営業しておらす、カジノのフードコートで唯一営業していたお店でワンタンヌードルを夜食としていただきました。そんなこんなで、NY時刻はすでに深夜12時。しかし体内時計はカリフォルニアの午後9時ということもあり、眠れるか少し心配でしたが、僕もDさんもあっという間に眠りに落ちました。

飛行機での移動は、基本的に座っているだけなのですが妙に疲れますね。






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さて、いつもより少し心地よいラウンジで過ごした後、すでに搭乗開始時刻となっていたためゲートへ向かいました。デルタ便は遅延もなく予定通りの出発とのこと。これは素晴らしいですね。ゲートに到着すると、すでに多くの乗客が乗り込んでおり、僕たちも座席へ向かいました。


今回の機材はボーイング767、ワイドボディの機体でした。僕たちは中央の2席を選んでいたのです。実際に座ってみると座席間の仕切りが驚くほど低く、プライバシーがほとんど保たれない不思議な構造。シートに関しては、正直なところ“我らがユナイテッド航空”のポラリスシートに軍配が上がりますね。
ある程度座席が埋まった頃、出発前のシャンパンが提供されました。ところが、Dさんが2杯目をお願いしたところ、アテンダントは「FAAの規則で1人1杯までなのです」とのお返事。Dさんは「そんな規則聞いたことないよ」と呆れていました。今の時代、調べようと思えば何でもすぐにわかるのですから、こうしたいい加減な説明は控えた方がいいのでしょう。

結局そのアテンダントは、なぜか“FAAルールでは1杯まで”と言ったにもかかわらず、2杯目を持ってくるという、なんとも腑に落ちない対応でした。親切なのか、仕事を簡略化したかったので、口から出まかせを言ってしまったのか判断に迷うサービスでしたが、ともあれ乾杯です。











僕たちの区画を担当していたのは3名の男性アテンダントで、皆さん見事なまでに“ステレオタイプなゲイ”といった雰囲気。それ自体は問題ではありません。むしろその方が好きかも(笑)。しかし、そのうちの1人が一度も微笑まず、まるで不機嫌なのかと思うほどの表情でサービスをしていたのです。

アメリカの航空会社では時折こうしたアテンダントに遭遇しますが、「サービス業が苦手なら、なぜこの仕事を?」と思ってしまうほどでした。以前ラスベガスへ行った時のユナイテッド便でも同じタイプの方が担当でしたね。
気を取り直しつつ、飛行機は定刻通りにサンフランシスコを離陸しました。
安定飛行に入るとドリンクサービスが始まり、シャンパンと温めたナッツが提供されました。しかしその直後、間髪入れずに食事が到着。ウェルカムドリンクを楽しみ、ナッツを食べはじめたばかりなのに、もう食事です。普通は最初のドリンクを飲み終えるまで少し間を置くものでは?と、ついユナイテッド航空やANAなどと比較してしまいました。

ウェルカムドリンクを楽しむか、ナッツを諦めるか、あるいは食事が冷めるのを覚悟するか……そんな奇妙な選択を迫られる展開。デルタのサービス担当者は、このあたりの流れをあまり重視しないのでしょうか。それともこういうサービスを受けたことがないのだろうか?

さて、このDelta Oneではオンラインで事前に食事を予約できるのですが、今回の便では特別メニューも用意されており、僕はチリ産シーバス、Dさんはイタリアンミートボールを選んでいました。









ところがシステムエラーで、なぜか僕たち両方のオーダーが“シーバス”になってしまっていたとのこと。他の乗客にも2人でチケットを購入した場合、2人とも同じオーダーになるという問題が出ていたようです。ただ、幸いミートボールは1食だけ余っていたようで、それをDさんに提供できると言われました。


そして僕の元に届いた“シーバス”は……なぜかサーモン。アテンダントに尋ねると「今回搭載しているのはサーモンのみです」との返答。事前予約のメニューにははっきりシーバスと書かれていたのに、どういうことかと聞くと、パーサーがやってきて「ケータリングのラベルにはシーバスと書いてありますが、実際に積んでいるのはサーモンだけなのです」との説明。
いやいや、一体何のための事前オーダーなんだ? サーモンとシーバスの違いすら説明がなくそのまま提供されるとは…。パーサーは丁寧に謝罪してくれましたが、僕はユナイテッド航空でここまでの齟齬を経験したことがありません。僕は魚は好きですが、サーモンはそこまで得意ではないのです。

するとパーサーが「マッシュルームラビオリへ変更できます」とのこと。多分このチョイスが一番人気がなくて余っていたのかな?僕は「シーバスがないならビーフリブにします」とお願いしましたが、どうやら人気メニューだったらしく、内部調整に手間取っている様子。かなり待たされた末、何とかビーフリブが提供されました。






味は文句なくおいしく、これはユナイテッド航空の機内食時より良かったです。
食後はシートをフルフラットにして昼寝をすることにしました。

今回のDelta Oneの総評としては、
・空港ラウンジは素晴らしい
・シートは古くプライバシーなしで好きになれない
・アメニティバッグは好印象
・アテンダントのサービスの質にムラが大きい
・ドリンクのリクエストは、覚えられないのか?再度頼む必要がある
・食事の事前予約システムは機能していないに等しい
・メニューと実際に搭載されている料理が違う

といったところです。

僕たちが予約した時はDelta Oneの“最安値”だったのでまだ納得できますが、その数週間後にはユナイテッドと同等の1人90万円近い値段になっていたので、この内容でその価格は考えてしまいますね。

辛口になりましたが、Delta Oneはデルタ航空の“旗艦サービス”としての位置づけなのですから、もう少し洗練された体験であってほしいというのが正直な感想です。アメリカの航空会社に日本的なきめ細やかさを求めるのは酷かもしれませんが、それでも“アメリカなりの良さ”がもう少し表れていたら良かったな、と思いました。



結局デルタ航空の浮気は本気にならないような気がしてきました(笑)。
帰りの便はどうでしょうか?


 




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さて、空港にていよいよチェックイン。そう、今回は長年お世話になってきた“我らがユナイテッド航空”から浮気をしてしまい、なんとデルタ航空を利用することにいたしました。飛行機好きの方やサンフランシスコ・ベイエリアにお住まいの方ならご存じの通り、サンフランシスコ国際空港はユナイテッド航空の牙城ともいえる存在で、主要拠点(HUB)となっています。

つまり、ユナイテッド便は国内外ともに就航都市が非常に広く、「時間通りに飛べば」 これほど便利な航空会社はありません。
特にサンフランシスコ発の日本行きとなると、ユナイテッドおよびスターアライアンス各社を除けば、運航しているのはJALとZIP-AIRのみ。デルタ航空もアメリカン航空も日本便は飛ばしていないため、どうしてもユナイテッド航空系を利用する流れになってしまうのです。
さて、NYC行きが決まってからは、飛行機好きのDさんが早速リサーチ開始。サンフランシスコ〜NYC間は西海岸と東海岸を結ぶ長距離路線で、直行便でも5-6時間前後かかります。となると出てくるのが、Dさんの「エコノミーでは飛びたくない」病。そこで国内線ファーストクラスの価格を調べ始めました。

ところが、我らがユナイテッド航空の価格設定はまさに強気。往復のファーストクラスが、なんと一人 6,000ドル(約90万円)。この金額であれば、日本へビジネスクラスで往復できてしまいます。我が家の家計では、小旅行で1人90万円、2人で180万円の航空券など到底無理(涙)。「これはもうエコノミーで行くしかないね」と、ほぼ結論が出かけていました。









そんな折、Dさんがふと「デルタやアメリカンはどうなんだろう?」と気まぐれで調べてみたところ、こちらはなんとユナイテッドの半額以下。これにはDさんも心が大きく揺れたようです。アメリカではユナイテッド、デルタ、アメリカンが御三家ですが、サービス品質で定評があるのはデルタ航空。

しかも、サンフランシスコ〜NYC間は大陸横断便として特別仕様のファーストクラス「Delta One」が設定されており、ユナイテッドのポラリスクラスに相当するフルフラットシート、さらに国際線クラスのこだわりの食事とドリンクが提供されるとのこと。
僕自身、デルタを利用するのは久しぶりでしたし、値段も半額以下でサービスも良いのであれば、一度乗ってみるのも悪くありません。
こうしてDさんの提案を受け入れ、今回はデルタ航空のDelta OneでNYCまで飛ぶこととなりました。格安食材を売るスーパーマーケットでやりくりして地味に自炊し、比較的高価な夕飯の外食はせずコツコツ節約してきたからこそ、こうした贅沢もたまにはできるのだなぁと、しみじみ思うのでした(笑)。

デルタエアラインのラウンジにも入りましたが、我らがユナイテッド航空のラウンジよりもすっきりとしてモダンで広い窓がありかなり好印象です。来ているお客さんも心なしかユナイテッド航空のお客さんよりも品があるような気がしました(笑)。食べ物の方も悪くなかったです。



これは浮気が本気になってしまうかもしれないな~(笑)。


 


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サンクスギビングは、だれも招待せず2人だけで巨大なステーキを焼いてひっそりと過ごしました。Dさんは半分ですが、僕は完食してしまうという、恐ろしい胃袋は健在でした(笑)。家で食べると本当に安上がりですね~。2人分の食材でたぶんレストランへ行った時の1/3くらいのコストで済みました。

4連休というのは本当に嬉しい休暇。ほとんど何もしないでゆっくり過ごせました。
さて少し前のことですが、夕食を終えてソファに座り、音楽を聴きながらDさんと話していたときのこと。Dさんがネットニュースで見たらしく「NYのロックフェラーセンターのクリスマスツリーって見たことある?」と聞いてきました。

僕は「何度かあるよ」と答えたのですが、Dさんは意外にも一度も見たことがないとのこと。冬のマンハッタンはとても寒いけれど、クリスマスのイルミネーションは本当に華やかで美しいよ、と話すと、「それなら見に行こうか」という流れになりました。









そこで僕は、「どうせ行くなら、NYフィルの公演も興味ある?」と聞いたところ、Dさんは「いいね!」と即答。そこでNYフィルのサイトを覗いてみると、いくつか魅力的な演目が並んでおり、その中にドヴォルザークの《新世界より》がありました。いわゆる“王道”ではありますが一度生で聴いてみたいと思っていたので提案すると、Dさんは「知らない曲だ」とのこと。

そのとき改めて、日本の音楽教育のすごさを実感しました。というのも、アメリカでは中規模から大都市圏でないと公教育の中で体系的な音楽の授業がほぼ存在せず、とくにクラシック音楽に触れる機会が驚くほど限られているようです。さらに、Dさんのように経済的に恵まれない地域・家庭で育ち、両親が音楽に興味を持っていない場合、子どもがクラシックに触れる機会はほぼ皆無のまま大人になるみたいですね。
一方、日本では小学校の頃から音楽の授業があり、童謡から世界の音楽、クラシックまで幅広く触れることができます。そのため、多くの日本人は“有名どころ”のクラシック曲なら題名さえも知っていることが多いと思われます。また、昭和時代の僕の子どもの頃は「音楽に触れさせることが良い」とされていたようです。

わが家でも小学1年から6年頃までピアノの先生が毎週家に来て、坊主頭の兄弟3人まとめてピアノ部屋に“閉じ込められ”(笑)、強制的にレッスンを受けていました。当時は嫌で仕方なかったのですが、振り返るともっと真剣にやっておけば良かったなと思いますし、両親が与えてくれた環境のありがたさを今ではしみじみ感じます。










話を戻すと、米国では家庭環境や住んでいる目地の規模、家庭の経済状況によってクラシック音楽に触れる機会が極端に分かれるため、一般的な日本人からすると驚くほど多くの人がクラシックを知らないことがあるそうです。Dさんも例に漏れずその一人で、日本人なら誰でも知っているであろうクラシックの定番も知らないことが多かったのです。

僕もそんなに知っている人では全くないのですが、僕に付きあってコンサートに何度か行くうちに良さを知り、「こんな音楽に子どもの頃から触れていたなんて素敵だね」と言ってくれるようになりました。今では僕が「シンフォニーを聴きに行きたいな」と言うと、喜んでついてきてくれます。

そんな流れで、ちょうどマンハッタンでは今週からロックフェラーセンターのクリスマスツリーが点灯し、しかもNYフィルでは《新世界より》の演奏もあるということなので、休暇を取ってNYCへ小旅行に行くことにしました。NYCには仲良くしてくれる友人も数名いるので、彼らとも食事をしつつ、楽しい時間を過ごせたらと思っています。

今回は昼の便だったため、早起きする必要もなく、のんびり家を出て空港へ向かいました。






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世間では感謝祭も終わり、ほっと一息といった空気が漂う米国ですが、ブログ記事はしばらく渋滞しておりまして、今回は1か月以上前――10月中頃のお話になります。もっと頻繁に書ければよいのですが、仕事を終えて帰宅し、夕飯の準備をして……となるとなかなかブログに手が回らない日も多いのですよね。




さて、このブログにもしばしば登場する“お騒がせ娘”のJさんは、フィリピン系アメリカ人。Dさんと同い年で、Dさんが20代の若かりし頃に職場で知り合って以来の、長いお付き合いの友人です。とても良い人なのですが、精神年齢が実年齢に追いついておらず、20代後半~30代あたりで時間が止まってしまったかのようなチャーミングな方でもあります(笑)。

そのせいか仕事も長続きせず、何度か解雇されてしまい、現在は「お母さんのお世話」を名目に長く仕事から離れた生活をしています。彼女には5歳年下の弟がおり、こちらは真逆。30年近く同じ職場で働き、役職も上がり、共働きの奥さまと2人のお子さんと共に安定した暮らしを送っています。そして彼らには84歳になるお母さんがいらっしゃいます。
以前は彼女が腕を振るうクリスマスディナーをご馳走になっていましたが、ここ数年は年齢のこともあり、外食でご一緒するようになりました。ただ、年に一度のクリスマスだけでは寂しいので、「たまにはお母さんを招いてホームパーティーをしましょう」となったのです。

ホームパーティーは準備が大変ではありますが、お客様を迎えるとなれば家全体の掃除にも気合いが入り、いつも手を抜きがちな場所までしっかり磨き上げる良い機会でもあります。家がピカピカになると、こちらの気分も自然と上向きますね。当日は、Jさん、お母さん、弟さん夫妻、そしてお子さん2人の計8人が集合し、なかなかの大所帯のパーティーになりました。








まずは軽いおつまみとワインで久々の再会を祝して乾杯。お母さんは以前より外出が難しくなり、痛風もあると聞いて心配していましたが、思ったよりお元気そうで安心しました。「来年85歳になるから、誕生日は大好きなハワイで祝いましょう」と誘ってくださり、とても嬉しくなりました。ぜひ実現したいものです。

この日のメニューは、野菜サラダ、自家製ポテトサラダ、フィリピン系のお店で買ったパンシット(フィリピン焼きそば)、そしてメインにBBQリブを用意。フィリピンの方々は白米がお好きなので炊こうか悩みましたが、「そんなに食べられないから大丈夫」とのことでパンシットのみでいくことに。
でも十分な量で安心しました。皆さん空腹で来てくださったようで、「美味しい!」と喜んでもらえてこちらもホッと一息。食後は子供たちのリクエストでUNO大会へ。子供たちは本気モードで大はしゃぎ。家によって独自ルールがあることが多いUNOですが、今回も「え、そうなるの?」という謎ルールが飛び交っていて面白かったです。








その後は別のカードゲームに移行。子供が身振り手振りでお題を表現し、大人が当てるというもの。子供の全身を使った一生懸命な姿が微笑ましく、我が家には子供がいないこともあって、いつもと違う温かい時間が流れました。子供と過ごす時間って、ほどよく疲れるけれど心が満たされるんですよね。
パーティーの途中にネコさんの御飯の時間になったので、彼らがが裏庭やって来ました。するとネコ大好きな娘さんが大興奮でネコさんをじっと見つめていましたが、我が家のネコさんはやっと僕達に慣れてきたくらいなので、新顔の人間がいることに気が付くと驚いて家の下に隠れてしまいました(汗)。









たっぷり遊んだあとは、温かいアップルパイにアイスクリーム、そしてバナナクリームパイをデザートとしてお出しして、皆さんで堪能。以前はもっと賑やかだった彼らですが、今回は皆年齢を重ねたのか、DさんもJさんもあまりお酒を飲まず、ゆったり落ち着いた雰囲気のパーティーでした。
「また集まりましょうね」と言い合いながら、それぞれ家路につきました。我が家は普段、外部との交流が多いほうではありませんが、たまのホームパーティーはやっぱり温かくて楽しいものだなと改めて感じました。これからどんどん年を取っていきますから、今繋がっている人とのかかわりももっと大切にしていきたいですね。

皆さんは、ホームパーティーを開いたりしますか?



  



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今回も、Dさんが出張中の「未開拓のお店に突撃シリーズ」。



職場の中華系の同僚女子から「ここのマーラータンは美味しいよ」と教えてもらっていたお店に行ってみることにしました。日本でもマーラータンが流行っていると聞きますが、こちらでも(特に在米アジア人の間では)じわじわとブームになっている気がします。マーラータンとは、一人用の火鍋のような料理ですね。

基本的なシステムはこうです。入店すると、まず“洗面器のような器”を渡され、店内にずらりと並んだ食材から好きなものを自由に選びます。白菜、ほうれん草、人参、タケノコ、きのこ類、春菊などの野菜、しゃぶしゃぶ用の薄切りの牛・豚・ラム肉、練り物、タコやイカなどのシーフード、豆腐、麺類…お店によっては数十種類の食材が用意されていることも。
好きなだけ器に盛り付けたら、スープベースを数種類の中から選び、レジでお会計。料金は食材の重さで決まるので、たくさん食べたい人は大盛りを、軽めに済ませたい人は少量にと、自由に調整できるのが魅力です。お会計後、調理場で煮込んでもらい、出来上がった丼を受け取っていただく仕組み。

さらに、にんにく、ねぎ、辛味、ゴマだれ、ポン酢、パクチー、ごま油などのトッピングもあり、自分の好みに合わせて調整できるのもポイントです。
以前、別のお店でDさんとマーラータンを食べたのですが、食材も量も全て自分で決められるので2人ともすっかり気に入りました。











この日も気温が下がっていたので、熱々のマーラータンが恋しくなり、以前のお店に行ってみたら、まさかの激混み。
並ぶのが苦手な僕は、同僚がもう一軒おすすめしていた店を思い出し、街中から少し離れた徒歩5分ほどの場所へ向かったところ、こちらは空いていてすぐ入れました。彼女曰く「スープは美味しいけど、食材がすごく少ない」のだとか。

入店してみると、たしかに食材は以前の店の1/3ほどの品揃え。しかし基本的なものはそろっているので問題はありません。またスープが美味しければ十分です。
店内外は真っ赤な装飾に漢字がびっしりという“これぞ中華”なお店でしたが、スタッフは全員ラテン系という不思議な組み合わせ。
でもラテン系の方々は総じて勤勉で親切なので、態度がイマイチな中華系の店員より僕としては安心感があります(笑)。案の定、初来店で戸惑っていると、丁寧にシステムを教えてくれました。今回は麺を抜き、野菜ときのこ中心で盛り付けたところ1パウンドで16ドル。以前のお店では調子に乗って色々盛りすぎ、25ドル以上したので、これはコスパとしても悪くありません。


出来上がった丼を受け取り、いざ実食。今回はトマトベースのトムヤム風、酸味と辛さの効いたスープを選びましたが、これがなかなか好みの味。辛さが少し物足りなかったので、辛味スパイスににんにく・ねぎを加えると、ちょうどよい風味に。さらに別皿でゴマだれを用意し、ディップしながら食べるとこれまた美味。満足度高めの一杯でした。ここならDさんを連れて来られるかもしれませんが、やはり食材の少なさが少し気になるところでしょうか。

皆さんはマーラータン、もうお試しになりましたか?





我が家のノラ猫姉弟は相変わらず元気。
しっかり食べて、しっかり寝ております。



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Dさんが出張中の「未開拓のお店に突撃シリーズ」。

今回は、同僚から「ツッコミどころ満載でちょっと変なラーメン屋だけど、意外と美味しいよ」と勧められていた店に行ってみることにしました。店名は NOKA Ramen。”のか”? それとも“農家”?気になって事前にネットで調べてみると、ウェブサイトに日本語表記があり、そこにはまさかの“ののか”。……
いや、それはどう読んでも“ののか”にはならないでしょう、と思わずツッコミを入れてしまいました。僕の推測では、“農家”と書きたかったのを、日本語ネイティブではない誰かが間違えて「ののか」とひらがな表記してしまったのでは、という結論に落ち着きました(笑)。







さらにメニュー情報を見てみると、セーラームーンのフィギュアやパワーレンジャーのコスプレをした店員、ピカチュウ風バーガーと、これでもかと言わんばかりのカオス感。店内は「熱帯雨林のトンネル」のようだと紹介されており、一体どこを目指しているのかわからない摩訶不思議なお店です。ラーメン店とは思えないロコモコ、ハンバーガー、トロピカルカクテルが並びます。 そして何より目を引いたのが価格帯。極めつけは最高価格のラーメン1杯 59ドル(約9,200円)。次点も56ドル(約8,700円)。インスタ映えを狙っているのかは不明ですが、一般庶民としては頼むのに相当の勇気が必要な価格設定。本当に素材にこだわっているのかもしれませんが、一番高いラーメンは何が入っているのかさえも不明。ラーメンでこの値段はなかなかハードルが高いものです。









仕事を終え、いざ突撃してみると、店内は熱帯雨林の装飾にネオンカラーが輝き、目がチカチカする派手さ。奥には100インチ以上はありそうな大画面があり、日本のアニメが流されていました。どうやら「陽気な日本オタクのアメリカ人」をコンセプトにしているのだろうと納得。接客は意外なほど丁寧で、好感が持てました。

ちょうどハッピーアワーだったので、鶏の唐揚げと、ラーメンは黒ニンニクとんこつを注文。まずは唐揚げ。大ぶりのものが6個ほど、シラッチャマヨネーズ添え。味付けがしっかりしていて、予想外に美味しい。店の外観からは想像できないほどの安定感で、安心して楽しめました。
そして本命のラーメン。
揚げニンニク、ネギ、メンマ、チャーシュー、海苔と、トッピングは奇をてらわず王道の構成。麺は博多風の細いストレート麺で僕の好み。スープはやや塩味が強めで濃厚ですが、味自体は悪くなく、総合的には「近くにいればまた来てもいいかも」というレベル。ただし、Dさんを自信をもって連れて来られるかと聞かれれば答えは“否”。

繊細な舌を持つDさんには、たぶん合わないだろうという絶妙なラインでした。
怖いもの見たさのチャレンジャーの方は、ぜひ最高額のラーメンに挑戦して感想を聞かせてほしいものです(笑)。









さて、我が家のノラ猫姉弟は相変わらず元気いっぱい。まだ触らせてはくれませんが、僕たちを見ても逃げなくなりました。
Trader Joe’s で猫用のおもちゃを見つけたので購入し、庭の木にゴム紐で結んでみたところ、とても楽しそうに遊んでくれています。

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毎日、僕よりもはるかに忙しく、重大任務を担っているDさんが、南カリフォルニアへ出張に出かけました。今回は4泊ほどとのこと。そうなると、僕は夕食を作らなくなります(笑)。1人分をわざわざ調理するのは面倒です。また、通常、外食の際比較的お店選びに保守的なDさんは、新規開拓にはあまり積極的ではありません。ですので、こういう機会に僕が気になっていたお店を試し、良ければ次回Dさんを連れていく、という流れになるわけです。

さて、そんなDさんからメッセージが届き、「ホテルにチェックインしたよ〜。フロントで“スイートにアップグレードしました”と言われたから期待したのに、部屋に入ったらなんとも残念な感じだった」とのこと。どうやら「スイート」と銘打たれたその部屋は、普通の部屋の片隅に小さなソファーが置かれているだけで、これがこのホテルのスイートカテゴリーなのかと驚くほどの微妙さだったようです。
窓からの景色自体は悪くないものの、窓ガラスが汚れていて眺望を楽しむどころではなく、バスルームも安っぽいプラスチック感が満載とのこと。最近泊まったホテルが、アンダーズ東京イラフSUIといういい感じのホテルだったため、その落差に思わずため息が出てしまったようです(笑)。まあ、日本の上質ホテルとアメリカの一般的なホテルを比べれば、そう感じるのも無理はありませんね。

まあ仕事ですから寝れればいいでしょう~ということで我慢したそうです。











一方の僕は、この日の夕食に、以前から気になっていた「カレー・ひゅうが」さんを訪れてみました。小ぎれいに整備されたバレンシアストリートと16thの近くにあるお店で、サンフランシスコ在住で美食家として有名なぴろりんさんも紹介していたので、ずっと気になっていたのです。店内は奥に長い“うなぎの寝床”のような造りで天井も高く、すっきりとしたカジュアルな空間。店員さんも感じが良く好印象でした。

メニューにはネットで見たもの以外に今月のスペシャルもあり、少し迷いましたが、初志貫徹でカツカレーを注文。運ばれてきたのは、思った以上に大ぶりのカツが堂々とライスの上に鎮座した一皿。僕はカツカレーにはとんかつソースが欠かせないタイプなのですが、きちんとかかっているのも嬉しいところです。ひと口いただくと、カレーはスパイスがしっかり効いていて、なんちゃって日本食レストランで見かける市販のルウを使ったタイプとは一線を画す本格的な味わい。
辛さ自体は控えめですが、1〜7まで選べる卓上スパイスがあり、好みに合わせて調整できました。僕は4を少し振ってみたところ、程よい刺激のある味わいになり、とても美味しかったです。とんかつはやや揚げすぎの印象がありつつも、肉厚でパサつきはなく、満足感のある仕上がりでした。これはリピート決定ですね!そしてここで問題が発生。

先ほど見かけた「今月のスペシャル」の紫蘇明太子クリームパスタがどうしても頭から離れないのです。期間限定なので次回来てもあるとは限らず、そもそもサンフランシスコで美味しい明太子クリームパスタに出会えるのは貴重……。悩んだ末、結局こちらも注文してしまいました(笑)。パスタは定食スタイルで、お味噌汁・サラダ・お箸がついてくるという不思議な構成。




肝心のお味は、日本で食べるそれに近く、とても美味しい!頼んで良かった~と思える一皿でした。
ラスベガスの食べ放題に続き、カツカレーとパスタをぺろりと平らげる僕は、まだまだ若いのかもしれません(笑)。美味しいものを、美味しく食べられる時期は案外短いもの。健康を損なわない範囲で、これからも美味しいものをどんどん楽しんでいきたいですね。



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このブログにたびたび登場する美魔女・INJさんは、僕たちのご近所さんです。彼女は韓国出身の移民で、現在82歳ほど。かつては内科医をしていた方で、美容に関してはただならぬ情熱を持っています。年に数回は韓国に戻ってお顔のメンテナンスを欠かさず行っているそうで、話しているとその美容知識の豊富さに驚かされます。

同じく美容に関心のあるDさんとは、まさに絶妙の話し相手といったところです(笑)。
数年前にご主人を亡くされて以来、今は一人暮らしのINJさんですが、サンフランシスコ・ベイエリアには3人のお子さんがいるので、完全に孤独というわけではありません。それでもやはり一人の時間が長いようで、僕たちがランチに誘うといつも嬉しそうに参加してくれます。
今回は、僕たちがたまたま見つけたイタリアンのワインバーで周年記念イベントがあるということで、ご一緒することになりました。事前に彼女が「友人を連れて行ってもいい?」と聞いてきたので、もちろん快諾。やってきたのはINJさんと同年代くらいの女性で、日系三世とのことでした。

僕が日本から来た日本人だと知るととても嬉しそうにしてくれ、話しているうちに彼女の母方の家族の出身地が僕の実家と同じであることが判明! その瞬間から、まるで長年の友人のように親しげに接してくれて、とても温かい気持ちになりました。まったくの他人でも、どこかで共通点が見つかると一気に心の距離が縮まるものですね。










さて、肝心の周年イベントの方はというと……お店の準備が完全に追いついておらず、オーダーしても料理は来ない、ドリンクも遅い、そして極めつけは途中で雨まで降ってくるという、ほとんどカオスな展開に(笑)。それでも、集まったメンバーが皆「こういうのもまた楽しいよね」と笑い飛ばせるタイプだったおかげで、ワインを片手に大笑いしながら、最近の日本旅行の話をしたり、80代女性たちの“これからの人生設計”を聞かせてもらったりと、むしろ印象深く楽しいひとときになりました。

料理については……ノーコメントにしておきましょう(笑)。とはいえ、楽しい時間を過ごせたのでそれで十分です。熟女お二人も「今日は本当に楽しかったわ~」と喜んでくれて、僕たちも「誘ってよかったな」と心から思えました。世の中がどこか殺伐としてきている中で、ほんの少しの“お節介の勇気”があれば、こんな素敵な時間をご近所さんと共有できるのだなと感じます。
人付き合いがあまり得意ではない僕ですが、Dさんのおかげでこうして異国の地アメリカで心温まるひとときを過ごせていることに、改めて幸せを感じます。

最近のねこさんはというと、いまだに触らせてはくれませんが、どうやら僕たちを“敵ではない存在”として認めてくれたようです。僕たちが姿を見せても慌てて逃げることはなくなり、裏庭のデッキに置いたベッドでのんびりとくつろぐ姿を見せてくれるようになりました。



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この日記は前回の続きです。
 Las Vegasにランチを食べに行ってきた~(前編)
Las Vegasにランチを食べに行ってきた~(中編)


時計を見ると、そろそろ空港に向かわないと危うい時間になっていましたので、急いでレストランを出てUberで空港へ向かいました。本来であればもっとゆっくり過ごし、ほかのカジノも見て回るつもりだったのですが、我らがユナイテッド航空の“お家芸”である遅延のせいで、それも叶わず……。

さて、帰りのUber運転手は20代の自称アーティストで、会話の端々に “FUxK” を連発するタイプの青年でした。悪意があるわけではなく、癖のように自然と口にしてしまう感じだったので、こちらも苦笑しながら聞いていましたが、知らない人からここまで強い言葉を立て続けに聞くのは久しぶりで、ある意味新鮮でした(汗)。
さらに彼の目のまわりには殴られたような青黒い痣があり、なかなか波乱の人生を送っているのだろうと感じさせられました。Uberの運転手さんは本当に個性豊かな人が多いですね。ギリギリではありましたが、なんとか空港に到着しゲートへ向かいました。





無事ゲートに到着して一息つくとユナイテッド航空から「サンフランシスコの悪天候により着陸回数が制限され、この便は遅延します」とのメッセージが……。オイオイ、なぜもっと早く言ってくれないのか。急ぐ必要は全然なかったじゃないか、と肩の力が抜けました。とはいえ、これも我らがユナイテッド航空の“いつものパターン”です。
念のためDさんに電話で「サンフランシスコ、悪天候なの?」と聞くと、「え?雨も風も霧もないけど?」との返事。実はこの手口、以前にも何度も経験しています。天候理由の遅延だと補償対象にならないからなのか、それとも一般人には見えない何かの“悪天候”があるのか……謎は深まるばかりです。











まあ、お腹もいっぱいだし、空港でブログでも書けばいいか~と考えながら待合席に着くと、次々とユナイテッド航空から遅延の通知が届き、結局90分以上の遅れに。でも、「あなたの席はファーストクラスにアップグレードされました~」との連絡もあり、そこは少し気分が和らぎました(笑)。

ようやくゲートが開き、機内へ。
僕のセクションを担当していたのは、大柄で少し意地悪そうな雰囲気の40代のゲイ黒人男性アテンダント。嫌な予感しかしませんでしたが、着席後には一応ウェルカムシャンパンをサーブしてくれたので、最低限の仕事はするつもりのようです。
この機材は新しいエンターテインメントシステムが搭載されていたので、モニターをオンにして映画を観ることにしました。普段はあまり映画を観ない僕ですが、今日は本を持ってくるのを忘れたので久々の映画鑑賞。選んだのは『ミッション・インポッシブル』。頭を空っぽにして楽しめる作品がいいと思ったのです。それに日本語吹替があったので、難解な英語を聞かずに済むのも助かりました。











しばらくすると機長から「サンフランシスコの悪天候で着陸枠が制限されているため遅延します。プッシュバックはしますが、許可が出るまで機内待機になります」とのアナウンス。念のためDさんに確認すると、「いや、こっちは相変わらず悪天候じゃないよ」とのこと。にもかかわらず、僕たちは機内で約1時間閉じ込められることに。地上にいながら映画はすでに中盤に差し掛かっていました。
都合2時間遅れでようやく出発許可が下り、「キャンセルにならなかっただけ良し」と自分に言い聞かせることにしました。僕の座席はちょうどラスベガスのストリップ側で、巨大なネオンサインが連なるギラギラした街並みを機内から眺められました。

聞けば、コロナ後はラスベガスが手軽な気晴らし先として人気を博したため、その需要に乗じてホテル・ショー・レストラン・税金まで一気に値上げされたそうです。しかしその値段急上昇の反動で、今は観光客が減少しつつあるとのこと。帰りのUber運転手さんも「ここ数年で客足が減った」と嘆き、マイアミに引っ越すと言っていたので、どうやら本当らしいですね。










さて、飛行機は無事離陸し、なんとか帰れそうです。とはいえ、離陸まで1時間以上待機していたにもかかわらず、例のアテンダントさんはウェルカムドリンク以外ほとんどサービスをせず、仲間とおしゃべりに夢中。ほかのファーストクラス客が呼び鈴を押すと、明らかに面倒くさそうに対応する姿は、見ていて何とも言えませんでした。

そんなにこの仕事が嫌なら別の仕事を探したらいいのに……と思ってしまうほど。ANAではまず見ない光景ですが、アメリカの航空会社はこういうタイプが一定数いるのが悲しいところです。日本ではそうではないかもしれませんが、米国ですとフライトアテンダントは低賃金というのは皆さん知っています。
ごたごた続きでもとりあえず飛び立ったことですし、。ラスベガスからサンフランシスコまではわずか1時間。いったん空に飛び立てばあっという間で、映画の終盤あたりで到着。ドアが開く直前にちょうど映画が終わりました。今回のMission Impossibleちょっといまいちでしたね。

こうして、1日休暇を取り、ユナイテッド航空のゴールドステータス維持のために“気軽なランチ in ラスベガス”を目指した日帰り旅でしたが、遅延続きで自宅に着いたのは夜10時半。それでも不思議と良いリフレッシュになりました。皆さんも日帰りラスベガスランチ、いかがでしょうか?(笑)

   

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この日記は前回の続きです。
 Las Vegasにランチを食べに行ってきた~(前編)



飛行機は予定どおりゲートが開き、乗客は機内へと案内されました。しかし、アテンダントさんとグランドスタッフの会話を耳にすると、どうやらパイロットがまだ到着していないとのこと……。「そんなことあるの?」と驚きつつも、乗客全員が乗り込んだ後もドアは閉まらず、明らかに誰かを待っている様子でした。

出発時刻を過ぎてもドアは開いたままで、ようやく機内アナウンスが入り、機長たちが今まさに飛行機へ向かって急いでいるとの説明がありました。ちょうどそのころ、ユナイテッド航空のアプリにもメッセージが届き、僕たちが乗る予定のパイロットは「ラスベガス → サンフランシスコ → そのまま折り返してラスベガス」というタイトなスケジュールだったのです。
しかしその最初のラスベガス発の便が遅れ、結果として機長待ちになっているとのことでした。LCCならまだしも、我らがユナイテッド航空でここまでギリギリのシフトを組んでいるとは少し驚きでした。結局、飛行機は約60分遅れでプッシュバックし、無事に離陸。

とはいえ、僕としてはラスベガスでランチを食べてすぐ帰りの便に乗る予定だったので、この1時間の遅延は滞在時間に直結します。かなり焦りましたが、「まあ、まだ余裕はある」と自分に言い聞かせて気持ちを落ち着けました。
それにしても、やっぱりユナイテッド航空は遅延が多い……というのが正直な感想です。











空港に到着後は、Uberで今回の食べ放題レストランがあるシーザスパレスへ向かいました。運転手は50代くらいのメキシコ出身の方で、「メキシコは素晴らしい国だ」「これからはアメリカは終わり、メキシコ・中国・ロシアの時代だ」と熱く語り続けるので、どこにツッコミを入れていいか分からず、聞いているだけで妙に疲れてしまいました……。

そんなにアメリカが嫌なら来なければいいのに、と思ってしまうほどの熱弁でした。車の中からラスベガスの街並みを見て気が付いたのですが、ラスベガスはかれこれ20年以上ぶりでした。メガパチンコ店のような街並みが好きではないですし、ギャンブルもしないので行こうとも思えない場所ですね。
空港から20分ほどでシーザスパレスに到着。事前に調べた限りでは、このホテルのビュッフェが一番評判が良かったので選んでみました。道中で気づいたのですが、ラスベガスの街はF1開催の準備中らしく、町全体がF1仕様になっていました。ストリップ(主通り)もレースのために全面閉鎖され、まさにど真ん中でレースが行われるとのこと。

これでは観光客はどうやってホテルに行くのだろうと思い運転手に聞いたら、「空港からホテルまで迂回ばかりで2時間かかるんだよ!」と、こちらもまた興奮気味に説明してくれました。










ビュッフェは人気で並ぶと聞いていたものの、僕が到着した時間は幸い、まったく行列がなく一安心。席に案内され、いよいよ食べ放題スタートです。まず全体を見渡すと、カニ・エビ・ロブスター・ホタテ・カキといったシーフード、プライムリブなどの肉料理、メキシカン、寿司、フィリピン料理、ピザ、パスタ、中華と、ほぼ「なんでもあり」の充実ぶり。
なるほど人気が出るのも納得です。料理の質も悪くありません。ちなみに料金は税込98ドル(約1万5千円)。相当強気の価格設定ですが、内容を見るとまあ納得できるレベルでした。しかし昔はラスベガスの食べ放題は安くて美味しいということで有名でしたが、今はどれもかなりいい値段になっているようですな。

まずはシーフードから。臭みがなく、どれも新鮮で驚きました。エビはぷりぷり、カニもパサつかず瑞々しく、特に美味しかったのはホタテのグリル。思わずお代わりしてしまいました。ただ、甲殻類の殻剥きはやっぱり面倒ですね(笑)。その後はプライムリブなどの肉類へ。最高ランクとは言えませんが十分に美味しく、満足度は高め。








ほかの肉料理は正直「そこそこ」という感じではありましたが、種類も豊富で、ビーフだけでもプライムリブをはじめNYステーキ、フランクステーキなどが並び、ポークのロースト、ラム、ハム、さらに鶏・七面鳥・ウズラなど鳥類のセクションまでありました。食べ比べてみた結果、僕はやっぱりプライムリブが好みの味でした。
気づけばお腹はすでに7割ほど満たされてしまい、お気に入りのプライムリブをさらに少しお代わり。最後にシーフードも少し追加して、デザートを見に行きましたが、特に惹かれるものがなかったので抹茶アイスで〆ることにしました。 以前は食べ放題に来ると、元を取るぞ~的な感じでとにかくたくさん食べようと行動していました。

まあ、若いうちは皆さんそうでしょう。しかし最近は年のせいで食べすぎると後がきついことを何度も失敗を繰り返しようやく学ぶことができました(遅すぎるといわれそうですが…汗)。ですから最近の食べ放題の楽しみ方は、量ではなくいろいろと違うものをたくさん楽しめる選択肢があるというものに重点を置くようになりました。

そういう点ではこのシーザスパレスの食べ放題は十分楽しめました。



つづく~




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日本やアメリカの他の職場ではあまりない仕組みかもしれませんが、僕の職場には「有給の貯められる上限」が定められています。その上限は勤続年数によって変動し、新入社員のうちは200時間ほど。現在の僕の場合、上限は350時間まで貯めることができます。また、与えられる有給の付与スピードも勤続年数によって異なり、長く勤めるほど多くの有給が貯まる仕組みです。

勤続30年のベテランともなると、年間で新入社員の倍近くの有給が与えられるのです。しかし
、どれだけ働いても各自の上限を超えるとそれ以上は貯まらないため、使わなければ損をすることになります。幸い、うちの職場は有給がとりやすい環境なので上限まで行ってしまう人は少ないのですが、時々「そろそろ限界です!」という人も出てきます。  

定期的に人事課から「あなたの部署のこの人、有給が上限近いですよ~」というリストが送られてくるため、それを見ながら職員に休みを取るよう促すのです。中には、上限を避けるために毎週金曜日を休みにしている職員もいたりします。ご存じの通り、僕も定期的に休暇をとっているのですが、それでも有給の貯まるスピードが早い!

油断すると上限に達してしまいそうになります。先日ふとチェックしてみたら、すでに300時間を超えていました。これはまずいな~と思い、急遽休みを取ることにしたのです。
その話をDさんにすると、「君、ユナイテッド航空のステータスもあと十数マイルでゴールドになるんじゃなかった?せっかくだから年内に短いフライトでも乗って、ステータス維持しておいたら?」と提案されました。








確かにゴールドステータスになるとラウンジアクセスやプレミアチェックインなどが使えて便利ですし、来年もいくつか旅行の予定があるので悪くない案だと思いました。Dさんはすでにゴールド以上になっています。
さっそくユナイテッド航空のサイトで、日帰り可能な最安チケットを検索してみると、サンディエゴとラスベガスがどちらも1万円前後でした。

フライトスケジュールを確認すると、サンディエゴ行きは早朝出発・夜遅く帰着という少々ハードな設定。一方ラスベガス行きは昼前に出発して夕方には帰ってこられるという理想的なスケジュールだったので、迷わずそちらを選びました。何よりラスベガスには、僕の大好きな「食べ放題レストラン」がたくさんありますからね。
せっかくの機会ですし、ランチビュッフェを堪能してこようと思ったのです。ところが、チケットを購入して間もなく、不穏なニュースが流れ始めました。――連邦政府の予算案が通らず、政府機関がシャットダウン。航空管制官もその影響を受け、給料が支払われていないというのです。10月に入ってから無給状態が続き、出勤を拒否する職員も増えているとのこと。

結果、航空管制官の人手不足により、連邦政府は安全確保のため各航空会社に「フライトの5~10%削減」を通達したそうです。
つまり、あちこちでフライトのキャンセルが多発し、スケジュールは大混乱。とはいえ僕は「まあ5~10%くらいなら大丈夫でしょう!」と、根拠のない自信に満ちておりました(笑)。









……しかし、そんな自信をあざ笑うかのように、出発2日前、我らがユナイテッド航空から無慈悲なメールが。「連邦政府の指示によりフライトを削減することになりました。あなたの便はキャンセルです!」――ただし、「安心してください、別の便に振り替えました!」とのこと。


オイオイ……よりによって自分の便が影響を受けるとは。振替便を確認してみると、朝5時に起きなければ間に合わないような超早朝便。涙目です。その話をDさんにすると、「別の日に変えたら?」との提案。しかし確認してみると、年内はどのフライトも値上がりしており、高額を支払ってまでゴールドを維持する気にもなれず、結局「これも運命だ」と腹をくくることにしました。
そして出発まで24時間を切ったころ、ユナイテッド航空から「オンラインチェックインをしてください」との通知が。手続きを進めていくと、「別の便に変更できますよ~」というボタンがあり、試しにクリックしてみると……以前は高額だった昼過ぎ発の便が選べるようになっていました。

どうせ差額を請求されるだろうと思いつつ選択してみたところ、なんと無料で変更可能とのこと!政府指示による変更や手数料の免除だったようです。もちろん迷わず即決です。
そんなわけで、当日はお昼ごろ空港に到着し、チェックインを済ませて無事搭乗。さあ、ラスベガスで思う存分「食べ放題ランチ」を満喫してきます。


さて、この後のラスベガス日帰り旅行編は次回に続きます!





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少し前のことになりますが、Dさんの弟君と妹さんがこちらに遊びに来ていました。3泊だけの短い滞在でしたが、カリフォルニアで3人が顔をそろえるのは初めてということもあり、とても賑やかで楽しい時間になったようです。さすがDさんの弟妹だけあって3人ともお酒が強く、ワインのボトルが次々と空いていくさまはなかなか壮観でした。

そんなわけで皆かなり酔いが回り、それぞれが好き勝手に話したいことをしゃべり出す状態。もともと訛りの強い英語を聞き取るのに苦労していた僕には、もはや英語とは別の言語のように聞こえていました。そんな盛り上がりの最中、弟君が僕の隣に座ってきて「Dの秘密を教えてあげるよ」と言うのです。これは面白そうだと思い、耳を傾けてみました。
(イタリアンでのHappy Hour)
弟君はというと、いかにも素朴なストレート男子。田舎に暮らしていることもあって、ゲイ文化にはあまり馴染みがなく、どこか純朴な雰囲気のある男性です。そんな彼が話すには、「Dは昔ストレートで、美人な女性が大好きだったんだ」とのこと。僕は思わず「へえ~それは興味深いね。でも、どうしてそんなふうに思うの?」と尋ねてみました。

僕の知る限り、Dさんは筋金入りのゲイ。若いころだけ“ストレートだった”というのは到底信じがたい話です(笑)。
すると彼は自信満々にこう言うのです。「だってDはFarrah Fawcettっていうブロンドでセクシーな女優が大好きで、部屋中に彼女のポスターを貼ってたんだよ!」と。







僕はその名前を知らなかったのであとで調べてみたら、「ああ、この人なら何となく見たことある、有名な女優さんだな」と思いました。弟君いわく「彼女は当時すごい人気で、誰もが憧れる存在だった」そうです。
それを聞いて僕は心の中で、「なんだ、Dさん全然ゲイじゃないじゃない」と笑ってしまいましたが、同時に「いやいや、それは“ストレートだった証拠”にはならないんじゃない?」とも思いました。

そこで弟君に、「彼女のポスターを貼っていたからといって、Dがストレートだったとは限らないよ」と伝えると、彼は不思議そうな顔をして首をかしげました。
ゲイの人ならすぐピンとくる話ですが、ストレート男子には少し理解しづらいのかもしれません。
僕は彼にこう説明しました。「Dさんはたぶん“憧れ”として彼女を好きだったんだと思うよ。性的な意味ではなく、アイドル的な存在としてね」と。弟君はますます混乱しているようでした。「日本のゲイの人だって、松田聖子とか中森明菜とか、女性アイドルが大好きでポスターを貼ったり追っかけしたりするけれど、それは恋愛感情ではないんだよ」と。

しかし弟君は納得がいかない様子で、「でも好きだからポスターを貼るんでしょ? それで性的に好きじゃないなんて、そんなのありえるの?」と食い下がってきます。僕は笑いながら、「なるほどね、それじゃ質問を変えてみよう」と言いました。







「ストレートの男が、自分の部屋に好きな男性のポスターを貼るのってどう思う?」と聞くと、彼は即答で「それは絶対ない! ストレートの男が他の男のポスターなんて貼らないよ」と断言します。
そこで僕が、「でも、ストレートの男ってスポーツ好きだよね?

フットボールや野球、バスケットボールの選手のポスターを部屋に貼っている人、結構いると思うけど?」と返すと、彼は一瞬固まり、やがて「うん、それはある」と言いました。そこで僕は笑って、「ほら、それと同じことなんだよ。
(新規で見つけたLaosレストランでのランチ)
ストレート男子はスポーツ選手を性的対象として見てるわけじゃなく、憧れや尊敬の気持ちでポスターを貼る。ゲイの人が女性アイドルのポスターを貼るのもそれと同じ。好きだけど、恋愛の意味じゃないんだ」と説明しました。すると弟君はまるで長年の謎が解けたかのように「なるほど! そういうことか!」と大喜び。すっかり納得したようでした。

その後、彼はDさん本人にも同じ質問をぶつけていました。「Farrah Fawcettって好きだったんだよね? あれはどうして?」と。するとDさんは笑って「うん、素敵な人だったよ。憧れの存在だったね」と答えました。その瞬間、弟君は何十年たってようやく「兄は昔からゲイだったのだ」と心から理解したようでした(笑)。

なんだか微笑ましくも可笑しいやり取りだったので、忘備録としてここに残してみました。





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