アメリカ西海岸の小さな町で　付き合い丸28年の2人
米国人彼氏Dさんと雑種犬Coco(没2020)と共にひっそりと　慎ましく暮す男の
地味でありふれた　たれ流し的日常生活日記

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どうしてBlack Lives Matter？

日曜日にDさんと一緒に街をきれいにしましょう～ボランティアに行ってきました。仕事のお付き合いのある方からメールをもらいまして、この前の暴動でめちゃくちゃにされた街を皆さんで一緒に掃除しましょう～とボランティアを募る情報をいただきましたのでそれに参加したのです。ご存じの通り米国は先週各地で抗議行動が起こり、それに便乗して破壊、暴動、放火がありました。

  

窓ガラスが破壊され、お店がめちゃくちゃにされ、街のいたるところにスプレーペイントで落書きされ、ごみや破壊物で散乱した街が残りました。ただでさえコロナ禍で沈んでいた町は一層暗くなり薄汚れた感じになっていたのです。このままではいけないと、知り合いの方がこの清掃活動を企画してSNSで発表すると300人近いボランティアが集まりました。








朝9時に集合して、会場をセッティングしてお手伝い係のボランティアに指示を出して、清掃用具を仕分けして掃除となりました。破壊する人もいればこうして掃除に駆けつけてくれる人もいる。世の中にはいろいろな人がいるものだなとあたらめて感心させられます。掃除をしていて気が付いたのですが、銀行の襲撃が顕著にみられました。

ダウンタウンには銀行の支店が多数ありますが、大きな銀行も、小さな銀行も、中華系の銀行もどれもしっかりと窓ガラスが割られ、ATMがこれでもか～！というくらい破壊されているのです。暴動を起こした人たちは銀行を襲えば、ATMを壊せば現金が手に入るとでも思ったのでしょうか？ATM一台いくらするのかわかりませんが、決して安いものではないのでしょう。

実際こうして暴動、破壊、略奪、放火、暴力行為が起こってしまい悲しい限りです。しかしながらやはり、この抗議（暴動、破壊略奪等は除く)行動それ自体は現在の米国では必要なことであると思います。日本人の友人に聞かれたて興味深かったのが、どうしてBlack Lives Matterなのか？All Lives Matterではいけないのかという質問でした。だって、皆さんの命は平等に大切でしょ？ということなのです。

All Lives Matterはつまり、どの命も大切である。これは理解できますし、皆さん問題なく賛成できるでしょう。しかし今回問題になり、大きく皆さんが叫んでいるのはBlack Lives Matterは黒人の命は大切であるということです。どうしてAll Lives Matterではいけないのか、Black Lives Matterを皆さん叫ぶのか僕なりに理解したことを説明してみます。














Equality(平等) vs Equity(均衡)というトピックは必ずしもこの問題に合致しているわけではないのですが、一番わかりやすいと思うのでそれを使ってみましょう。米国は白人が一般的に絶大な権力と富を持ち、黒人もアジア人もラティーノ系もどうあがいても彼らには太刀打ちできません。絵で説明するとたくさんの光を浴びてますます大きく育とうとしている←左側ヒマワリのようであります。

←左側のヒマワリには平等に同じ椅子が置いてあります。これをAll Lives Matterとしてみましょう。すべての命は平等に大切であるということは、ごく当たり前で当然のことだと皆さんがわかっています。そして、全てのヒマワリには平等にAll Lives Matterという名の椅子が置いてあります。しかし、背の低いヒマワリにはこのAll Lives Matterだけでは日の光を浴びるための十分な高さにならないのです。

つまり、現在の米国でAll Lives Matterだけですと、現在のアメリカの状況下では著しい不平等、偏見に満ちた社会構造になっているため、平等的なAll Lives Matterを叫ぶことでは何の問題も解決できない事態になっているということなのでしょう。それほどひどい不均衡なのです。そこで右の方の見てみると、ひまわりの椅子が平等ではいものの、均衡に日が当たるような配置になっています。

一番背の低い不利な状況になっているヒマワリにもう一つ多めの椅子を加えることにより、ようやく日の光が注がれるようになります。この一つ多めの椅子がBlack Lives Matterなのでしょう。All Lives Matterではなく、Black Lives Matterと叫ぶことでAll Lives Matterでは解決できない、社会的不均衡に対して皆が意識して差別不均衡に取り組むことになり、ようやく均衡への未来の光が見えるようになるという動きなのではないかと思うのです。米国では平等を叫ぶことではもう問題の解決にもならないということなのです。














これは僕の自分勝手な見解でありますし、米国におけるこう言った人種差別、経済格差などを含む社会的不均衡は簡単に説明ができるほど単純ではなく、様々な事柄が複雑に絡み合っていますので、必ずしも正しく正確にこのBlack Lives Matterのムーブメントを語っているとは思いません。しかしながら、この米国社会にあるような著しい人種差別に基づいた社会的不均衡を理解しない日本人の友人に、All Lives MatterではなくどうしてBlack Lives Matterなのかをわかりやすく説明したらこうなりました。

もしも大きく僕の理解が違っていると思う方がいましたら、申し訳ありません。やはりこういう動きはいろいろな人のいろいろな立場での解釈があるので、どれが100％の正解とは断言するのは難しいかもしれませんね。それにこれと暴動破壊活動はまた別の問題です。これは個人的に必要のない行動で、Black Lives Matterの目的を打ち消す作用があると思い危惧しています。

それではご清聴ありがとうございました。
さて僕たちは掃除会の後はB-damaさんでサーモンいくら丼を買って家でランチとなりました。

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